2006年5月12日(金)「しんぶん赤旗」
沖縄県と国
新基地は政府案基本
知事“V字案同意でない”
稲嶺恵一沖縄県知事は十一日午前、防衛庁内で額賀福志郎防衛庁長官と会談し、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる名護市への新基地建設について「基本確認書」を交わしました。さらに同日午後、小泉純一郎首相と会談しました。
首相は「確認書」を交わしたことに謝意を示し、新基地容認を前提にした「振興策」について、「政府を挙げて誠意を持って対応する」と述べました。政府は、「確認書」の合意を口実に、新基地建設への動きを加速する狙いです。
「確認書」には、新基地について(1)一日の日米安保協議委員会(2プラス2)で承認された政府案を基本に対応する(2)防衛庁と沖縄県、名護市および関係自治体は、建設計画について継続的に協議する(3)政府は、在日米軍再編に関する閣議決定を行う際、県などと事前に協議する―など五項目が明記されました。
「政府案」は、米海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市)沿岸部にV字形の二本の滑走路を持った新たな航空基地を建設するものです。
稲嶺知事は額賀長官との共同会見で、「V字滑走路をつくる(政府の)計画に同意したのか」との質問に対して、「まったく違う」と否定。「(政府案を)基本として、今後誠意をもって継続的に話をしていくということだ」と述べました。
四日に沖縄県が示したキャンプ・シュワブ陸上部への暫定ヘリポート建設案については、「緊急避難的なものとして政府に求める考えに変わりはない」との考えを示しました。
額賀長官は「確認書の合意を得たので、できるだけ早く閣議決定し、実施計画を作ることが大事だ」と述べました。
政府は一九九九年十二月に、名護市辺野古沖への新基地建設の閣議決定を行いました。これを変更し、月内にもシュワブ沿岸部への新基地建設を明記した閣議決定を行うかまえです。