2006年5月10日(水)「しんぶん赤旗」

新人研修担当看護師は多忙

十分指導できず8割


 病院の新人看護師研修で、指導担当看護師の約八割が業務の多忙などを理由に十分な指導ができていない――。東京医療関連労働組合協議会が九日発表したアンケート結果で、こんな実情が浮かび上がりました。同協議会の相澤幸敏事務局長は「新人研修の人員を病院が確保できるように、国は経済的な保障をすべきだ」と話しました。

 アンケートは、新人看護師の約一割が就職後、一年以内に退職するといわれるなか、「新人看護師が働き続けるために何が必要か」を探りました。同協議会加盟の組合がある都内三十二病院で実施。配布した一万五千枚のうち、五千六十六人分が集まりました。

 それによると、「十分な指導ができなかった」と答えた新人研修担当看護師のうち57・7%(複数回答)が、理由として「自分も業務をしながらなので指導どころではなかった」と回答。「忙しくて振り返りの時間が持てなかった」とした同看護師も47・4%(同)に達しました。

 一方、経験年数三年以下の看護師で、一人立ちするまでの教育・指導が「十分だった」と答えたのは45・3%でした。

 また、看護師の配置が少なくなる夜勤は、研修を終えて自立したときに、78・2%が「ミスをおこすのではないか」との不安を抱えていたことが分かりました。研修指導者と一緒に就く夜勤研修は三交代制の病院で平均二回。これに対し、三年目以下の看護師の六割以上が「夜勤研修は三回以上必要」としています。

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