2006年5月3日(水)「しんぶん赤旗」
米軍機、芝生に突っ込む
車輪出ず着陸失敗
本土移転予定のF15
嘉手納基地
二日午前十一時ごろ、沖縄県の米空軍嘉手納基地(嘉手納町など)構内で、F15戦闘機が着陸した際、車輪が出ずに、滑走路脇の芝生に乗り上げました。パイロットにけがはなく、機体はわずかに損傷しました。
同基地のF15戦闘機部隊については、一日に日米政府が合意した在日米軍再編で訓練を本土の六自衛隊基地に移転することを決めています。
基地報道部によると、パイロットは着陸時に車輪を出そうとしましたが、主翼左側の下にある車輪が出ず、滑走路に設置されている緊急時用のワイヤに機体を引っ掛けて停止させました。付近の住民の目撃証言によると、機体は滑走路脇の芝生に、左側を傾けた状態で停止したといいます。
同基地は滑走路を閉鎖し、機体の撤去作業を行いました。事故原因の調査とともに、所属航空機の着陸装置の緊急点検を始めました。飛行訓練は点検終了後に再開する方針。一月十七日には沖縄本島近海の洋上で、同基地所属のF15戦闘機が墜落、パイロットが緊急脱出する事故が起きています。
県や嘉手納町は、墜落原因が究明されるまで同型機の飛行を中止するよう求めました。しかし、米空軍は二日後に飛行を再開。これに対し、県議会は全会一致でF15戦闘機の飛行中止を求める意見書を採択しています。
米空軍は四月、墜落機右側エンジンに損傷があったとの調査結果を公表しました。しかし、損傷の原因は特定されていません。