2006年5月3日(水)「しんぶん赤旗」

米軍再編 最終報告

日米軍事同盟の侵略的な大変質

小池政策委員長が談話


 日本共産党の小池晃政策委員長は二日、日米安全保障協議委員会の共同発表について、次の談話を発表しました。


 一、日米両政府は一日、ワシントンでの日米安全保障協議委員会で、昨年十月に合意した「日米同盟 未来のための変革と再編」を実施するための詳細を確認し、「再編実施のための日米のロードマップ」を発表した。共同発表は、「グローバルな課題に対応」し、「地域及び世界の平和と安全を高める」ために「協力を拡大」することを確認し、「同盟関係における協力」が「新たな段階」に入ることを強調している。これは、米国の先制攻撃戦略にそって、日米軍事同盟を文字通り地球規模に拡大・強化し、侵略的に大変質させることを確認したものであり、日本共産党は、厳しく批判する。

 一、共同発表は、一連の基地再編・強化の計画を列挙し、「この計画を速やかに、かつ、徹底して実施していくことを確約した」と強調している。「地元との調整を認識し、再編案が実現可能であることを確認した」などと、のべているが、米軍再編にかかわるほとんどの自治体と住民が基地強化に反対していることは、誰の目にも明らかである。どんな反対があろうとも「徹底して実施」するなどという強権的な宣言は、国民の怒りをさらに広げ、政治的立場の違いをこえた、自治体ぐるみのたたかいをいっそう大きくせずにはおかないだろう。そのことは、これまで、「日米同盟」を支持、容認していた人びとにも不信と怒りを広げることになる。

 一、海兵隊司令部などのグアム移転にかんして、日本が約六十一億ドル(約七千億円)を提供することを明記し、移転は、「日本の資金的貢献に懸かっている」などとしている。アメリカの領土内の米軍基地建設費を日本が負担するのは、まったく道理がないばかりか、グアム移転は、海軍、空軍などとの統合運用・基地増強、海兵隊の広域展開などの米戦略の一環にほかならない。日米当局者は、グアム移転費だけでなく、米軍再編全体で日本が約三兆円を負担することを明らかにしているが、米国の世界戦略のために、日本国民の膨大な税金を投入することは絶対に許されない。

 一、アーミテージ前国務副長官の改憲要求にみられるように、こうした日米軍事同盟を地球規模に拡大し、米軍と自衛隊を一体化する路線は、憲法九条を「邪魔物」扱いにしているが、「日米同盟の変革」は、憲法改悪の圧力と策動をいっそう強めることになる。

 日本共産党は、憲法改悪反対のたたかいとむすびつけて、海外派兵と基地強化など「日米同盟」の侵略的変質に反対し、日米安保条約廃棄、米軍基地撤去をめざして、国民とともに奮闘する。


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