2006年4月25日(火)「しんぶん赤旗」
沖縄新基地に配備予定
オスプレイ 3月に墜落
米海兵隊 昨年は事故隠ぺい
沖縄のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)の米海兵隊新基地への配備が計画されている最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイが三月に墜落事故を起こしていたことが、二十三日までに分かりました。また同事故の調査の中で、昨年十一月にもオスプレイが事故を起こし、それが軍によって隠ぺいされていたことも明らかになりました。
オスプレイは、三月三日に、米海兵隊のニュー・リバー航空基地(米ノースカロライナ州)に初めて実戦配備されたばかりです。
軍事専門紙「インサイド・ザ・ネイビー」などによると、事故はその直後の二十七日、同基地で整備後の点検中に発生。パイロットが乗った機体が突然、急上昇し、その直後に墜落しました。死傷者はありませんでしたが、右翼と右エンジンが大破しました。事故は、最も深刻な損害額百万ドル以上の「Aクラス」と判定され、同基地での飛行が数日間、停止されました。
「インサイド・ザ・ネイビー」四月十日付は、米海兵隊の担当者が、今回の事故についての調査の中で「これまで発表されていない昨年十一月の事故についても再調査している」と述べたと報道。詳細は不明ですが、同紙は、昨年十一月の事故が揚陸艦上での飛行時に起きたもので、「三月二十七日の事故と同じような(事故の)兆候があった」としています。
米海兵隊は、早ければ二〇一二年から沖縄の普天間基地(宜野湾市)のCH46E中型ヘリをオスプレイに交代させる計画を明らかにしています。普天間基地の代替基地として、建設が狙われているキャンプ・シュワブ沿岸部の新基地が完成すれば、同基地に配備されることになります。
オスプレイは、試験飛行中に墜落事故を繰り返してきました。さらに実戦配備直後に重大事故を引き起こし、しかも別の事故の隠ぺいまで発覚したことで、同機が配備されることになる新基地の危険性が改めて浮き彫りになっています。
MV22オスプレイ 両翼のローターの向きを動かすことで、ヘリコプターのように垂直に離着陸することや、固定翼のプロペラ機のように飛行することができます。海兵隊員や装備を輸送し、敵地への遠征強襲作戦などを行うのが任務です。