2006年4月22日(土)「しんぶん赤旗」

療養病床 なぜ減らす

衆院委で高橋議員 患者の「追い出し」に


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(写真)質問する高橋千鶴子議員=21日、衆院厚生労働委

 「療養病床削減で患者を路頭に迷わせることはしないと約束できるのか」――。二十一日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員は、医療改悪法案に盛り込まれた療養病床削減による患者の病院、施設からの「追い出し」をやめるよう求めました。

 法案では、現在三十八万床ある療養病床のうち、六年間かけて六割にあたる二十三万床を減らします。

 高橋氏は「二十三万床なくす根拠は何か」と質問しました。厚労省の水田邦雄保険局長は「(入院患者で)医療の必要性の低い人は老人保健施設等で対応する」と答弁しました。

 高橋氏は、厚労省の「療養病床における医療提供体制に関する調査」でも、入院患者で「福祉施設や住宅によって対応できる」としたのは三割弱にすぎないことを指摘。さらに、特別養護老人ホームの待機者が三十八万五千人を超えていること、全国各地の病院から「経管栄養を行っている寝たきり患者が当院に入院するには平均二―三カ月待機する状況」(兵庫県の病院長)などと不安と怒りの声があがっていることも紹介し、「現実には医療、介護から引き離される人は二十三万人よりも多いとみるべきではないか」と追及しました。

 水田保険局長は、厚労省が療養病床の待機者の調査をしておらず、「具体的にどの程度か分からない」と答弁しました。病床削減の根拠のなさが明らかになりました。

 高橋氏は、改悪案による高齢者の長期入院患者への食費、居住費の負担増、療養病床削減で、「病院に赤字覚悟か、患者追い出しかを迫るようなやり方はやめるべきだ」と強調。川崎二郎厚労相は「療養病床再編にあたって、入院している方々の追い出しにつながらないことが大前提だ」と答えました。


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