2006年4月21日(金)「しんぶん赤旗」

イラク次期首相候補

ジャファリ氏辞退も

国民議会延期 政党間で調整へ


 【カイロ=松本眞志】イラク国民議会のパチャチ暫定議長は二十日、同日予定していた国民議会開会を二十二日まで延期することを明らかにしました。ジャファリ移行政府首相の正式政府首相立候補辞退をめぐって政党間の調整に時間を与えるためのものとみられます。


 同首相の出身政党ダアワ党のジャワード・マーレキ報道官は二十日、ジャファリ氏が「イラクとイスラムの利益を実現するために辞退する用意がある」と語ったことを明らかにしました。

 イラクでは昨年十二月の総選挙以来四カ月間、正式政府が発足できないという異常事態が続いていました。ジャファリ氏に対しては、宗派間対立など治安の悪化に効果的な手を打ってこなかったとして、スンニ派やクルド人勢力が同氏の正式政府首相候補の辞退を求め、最大会派のイスラム教シーア派「イラク統一同盟」内からも退陣を要求する声が強まっていました。

 ジャファリ移行政府首相は「イラク統一同盟が私を選んだ」と首相候補に固執する姿勢を崩さず、政治のこう着状態が続き、政治空白と行政機能の麻痺(まひ)による国民生活の悪化に、国の内外から問題解決を求める声が高まっていました。

 袋小路を打開しようと、アシユラフ・カズィ国連特使がイラク南部の都市ナジャフでシーア派最高権威のシスタニ師やサドル師らと会見。同特使は「国連は暴力の増大に懸念を深めている」と訴えていました。米国もハリルザド駐イラク大使が関係各派に圧力をかけていました。

 当初十七日に予定されていた国民議会は、正式首相候補を含む新政府の役職をめぐる対立で延期されていましたが、パチャチ暫定議長は十九日に二十日開催を発表していました。

 国民議会の議長には、イスラム教スンニ派の統一会派「イラク合意戦線」のアドナン・ドレイミ氏、副議長にはイスラム教シーア派連合の「統一イラク同盟」のハリド・アティヤ、クルド同盟のタイファウル・ナイブの各氏が就くことになりました。


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