2006年4月19日(水)「しんぶん赤旗」

国会の視点

「行革推進」法案の採決狙う自公

審議は尽くされたのか


 公共サービスを切り捨てる「行政改革推進」法案、「市場化テスト(公共サービス改革)」法案を審議している衆院行政改革特別委員会の理事会は十八日、与党が野党の反対を押しきって採決を十九日に行うことを決めました。与党議員は委員会で「五十時間審議した」とのべて“審議は尽くされた”としきりに強調しています。しかし本当に徹底した審議が行われたのでしょうか。

公聴会開かず

 小泉内閣が「最重要課題」と位置付けている重要法案なのに、与党は国民から広く意見を聞く公聴会も開かずに採決しようとしています。

 法案は、五年間で国家公務員を5%以上、地方公務員を4・6%以上純減させることを目標にしています。

 国家公務員は、労働基準監督署や公共職業安定所など、地方の出先機関を減らすことが狙われています。不安定雇用や労働者の無権利状態が拡大する事態をただす公の役割強化が求められているときに、これに逆行するものです。

 地方公務員でいえば、国が定める配置基準さえ無視して削減しようとしています。いまでも消防職員は基準の75・5%しか配置されておらず、児童福祉司の配置基準を満たす自治体は四割にすぎません。少人数学級は多くの父母、国民の願いですが、児童・生徒の減少を上回る教職員の削減を明記しています。

 住民のくらし・安全に深くかかわるとともに、国、地方行政に直結する問題です。国民、地方自治体の意見を直接聞く公聴会も開かずに採決するなど許されないことです。

内容も不明確

 公共サービスがどうなるのか、国民生活に直結する問題なのに、審議のなかでは、具体的内容はほとんど明らかになっていません。

 どの分野の国家公務員を削減するかについて中馬弘毅行革担当相は「一律に減らすわけではない」とのべつつ、具体的には「(行政減量・効率化)有識者会議が判断する」というだけです。

 中小企業向けの三つの政府系金融機関を民営化や他の機関と統合することも大きな問題です。参考人質疑で全国商工会連合会の会長は政府系金融機関が「最後のよりどころ」だと、機能の存続を強く求めましたが、法案が明記しているように「縮小」される危険があります。

 行政機関と民間企業が競争入札して公共サービスの担い手を決める「市場化テスト」は全分野の業務が対象です。どの業務を対象にするかただすと、「あらかじめ何かを決めておくことではない」「(毎年の)公共サービス改革基本方針で選定する」とのべるだけです。具体的でないと批判されると中馬氏は「全部詰めた上で法律を出すと二、三年かかる」と開き直りました。

 さらに、「行革推進」といいながら、法案は肝心の天下り・談合問題では何の方向性も示していません。

 審議はまさに緒についたばかりで、国民的にも法案の具体的姿は知らされていません。日本共産党は、中央・地方での公聴会開催をはじめ、徹底した審議を求めてきました。国民生活に直接影響する公共サービスにかかわる問題だけに拙速は許されません。(村木 博)


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