2006年4月17日(月)「しんぶん赤旗」

原発依存反対


英 環境委が報告書

 【ロンドン=岡崎衆史】超党派でつくる英国会の環境検討委員会は十六日、報告書を発表し、将来のエネルギー安定確保を原発に依存することについて、安全性などの問題を挙げ、反対の意思を表明しました。

 報告書は「原子力はさまざまな問題を抱えている」とし、その例として、安全性、テロ対策、核拡散の危険性、核廃棄物の処理などを指摘しています。

 また「建設が間に合わないという単純な理由からいっても、次期十年間で、原子力エネルギーは電力の需要にも炭酸ガスの削減にも貢献できない」と述べ、原発はエネルギーの安定確保にも、地球温暖化対策にも役立たないとの見解を示しています。

 英政府は昨年十一月、将来のエネルギー安定確保に向けた報告書を今年七月に出すと発表しています。原発推進については、公式には態度を決定していないとしていますが、環境団体などは、すでに現在ある古い原子炉の更新や新規建設推進を決めたとみています。

 ブレア首相は、昨年九月の労働党大会で、それまで「好ましくない」としてきた原発についての政策を転換し、その積極活用を含め将来のエネルギー政策について議論するよう国民に呼びかけています。


仏 3万人デモ行進

 【パリ=浅田信幸】北フランスのシェルブール(ノルマンディー)で十四日、原子力発電所の建設に反対し、エネルギー政策の転換を求めるデモが行われ、欧州各国から三万人(主催者発表)が参加しました。

 この行動は、核兵器から原発まで原子力エネルギーの利用を批判する国際ネットワーク「核からの脱却」などが主催したもの。

 デモは「チェルノブイリから二十年、原発にストップを」の横断幕を立てて、シェルブールから二十五キロの原発建設の予定地であるフラマンビルに向け行進しました。

 建設が予定されているのは、欧州加圧水型炉(EPR)と呼ばれる第三世代の原発。フランスは自国のエネルギー生産の80%を原子力に頼っています。シラク大統領は今年一月、いっそうの原発推進を柱とするエネルギー政策を明らかにしており、フラマンビルを皮切りに今後耐久年数が切れる稼働中の原子炉(五十八基)の多くをEPRにとって代えることが計画されています。

 「核からの脱却」のステファン・ロム議長は「エネルギーの節約と再生可能なエネルギー開発に向けて進むべきだという、人々の強い意思を示した」と述べ、予定した一万人を大きく上回る参加を喜びました。


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