2006年4月17日(月)「しんぶん赤旗」

「教育の憲法」 教育基本法

与党の姿勢 乱暴だ

テレビ討論で市田書記局長 改悪に反対


 日本共産党の市田忠義書記局長は十六日、NHK番組「日曜討論」、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」に相次いで出演し、与党が教育基本法改悪案を今国会で成立させようとしていることについて、「『教育の憲法』と言われる大事な問題をわずかな期間で一気に通すというやり方は乱暴だ」と批判しました。


 与党改悪案の最大の眼目は「教育の目標」に「我が国と郷土を愛する…態度を養う」と明記したことにあります。市田氏は「愛国心の問題は、一人ひとりの国民の自主性に委ねるべきだ。国家が法律で定めるのは一人ひとりの内心の自由を侵すことにつながる」と指摘。東京都で「君が代」を歌わなかった教員が処分された例も示しながら、改悪に反対だと表明しました。

 公明党の冬柴鉄三幹事長は「学校教育と勤労が結びついてなかったのがニートを生んできた一つの原因」などと述べ、教育基本法に原因があるかのような発言をしました。

 市田氏は「今の教育基本法には、ちゃんと勤労の重要性についても明記されている。いまの教育基本法の精神が実施されてこなかったことに問題があった」と指摘。改悪案は「三年間、与党だけで七十回密室で協議し、マスコミにも非公開だった。与党の一部と役人だけで決めた」と批判し、一気に今国会での成立を図ろうとしている与党の姿勢を批判しました。

「行革推進」法案 国民財産脅かす

 「日曜討論」では与党が二十日衆院通過を狙う「行革推進」法案について議論となり、市田氏は「国民サービスを切り捨てて、国民の財産と権利を脅かすことに一番の狙いと目的がある」と指摘しました。自民党の武部勤幹事長は「なぜ公務員でなければいけないか」「民間でできることは、民間にして何が悪いのか」と述べました。

 市田氏は、保育士の配置基準見直しが民間の保育所にも適用される問題や、検討されてきた少人数学級が今度の法案で教員を削減するため立ち消えになってしまった問題を指摘し、「サービスの低下そのものだ」と指摘しました。

 冬柴氏が「(共産党などには)公務員を減らすのにアレルギーがある」などと発言。市田氏は、国家公務員の四割を占めるのは防衛庁と自衛隊であることなどを指摘した上で、「こういったところは減らしなさいと明確に言っている」と述べました。これに対し冬柴氏は一言も反論できませんでした。


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