2006年4月16日(日)「しんぶん赤旗」
きょう告示
「米軍再編」ノーの審判を
沖縄市長選
東門さんが“自公基地派”と対決
革新・保守の一騎打ちとなっている沖縄市長選挙。県内第二の都市の代表を選ぶだけでなく、全国、沖縄の米軍再編の行方を左右する選挙として両陣営とも、国会議員や政党幹部を切れ目なく投入しており、告示前から総力戦の様相です。
沖縄市は八年前の市長選挙で、自民・公明連合で革新市政をくつがえしました。その後の稲嶺恵一県政誕生の足掛かりになりました。
野党対与党
今回、革新市政を再建しようと、日本共産党や、民主、社民、沖縄社会大衆党など野党がそろって革新無所属として、東門美津子さん=新、元衆院議員=を擁立しました。一方、自民・公明は現保守市政(仲宗根正和市長)の継承をうたう桑江朝千夫氏=新=を擁立しています。
十日開かれた公開討論会で、基地の是非でも暮らし・福祉という市政の争点でも市民の代表がだれかはっきりしてきました。
桑江氏は二本も滑走路をつくる、名護市の米軍新基地の「新沿岸案」も、「普天間の危険性を除去する上で一歩前進で歓迎の立場である」と主張し、米軍再編にも容認姿勢を示しています。一方、街頭や内部集会では「基地の整理・縮小を」と欺まん的な対応をしています。
「新たな基地建設には絶対反対です」と訴える東門候補は、「名護市長は米軍再編を推進する自民・公明党に推された市長。国に屈服するのは宿命です。基地強化ノーの県民の意思を示せるのは自分しかいない」と呼び掛けています。
暮らしの問題でも、桑江氏は市民サービスを切り捨てる「行革」を口にするだけです。東門さんは、沖縄市で五世帯中一世帯が国保料を払えなくなっている実態や、高齢者や障害者の見舞金や入浴サービスなど革新市政時代の施策が削られたことを告発したうえで、「自・公路線は基地でも暮らしでも国民に犠牲を強いる枠組みです。自・公丸抱えでない私でこそ、市民のための市政を実現できる」と支持を広げています。
自公組織戦
桑江陣営は内部固めに必死です。「稲嶺県政を維持するために勝たなければならない。自・公体制、日本の国家体制にも影響しかねない」と、選対本部長代理の西田健次郎自民党元県議は内部集会(十三日)でげきを飛ばしています。
自民党本部は久間章生・元防衛庁長官など幹部を交互に張り付かせ、「みんな国会をサボって来ている。それだけ重要な選挙だ」(西銘順志郎参院議員)などといっています。選対幹部は「比例候補や小泉チルドレンを中心に国会議員を張り付かせている。全県の県議や市町村議を中心にしてミニ集会をやるなど何でもやる」と語っています。
県経済界も沖縄県商工会議所連合会会長が「政局を左右する選挙」と指示して、商工関係者が選対本部に常駐しています。公明党も全県から議員を集め、桑江選対に詰め、街頭宣伝や組織戦の指揮を取っています。
五つの政党と広範な市民、労働団体が結集している東門陣営が七日に開いた市民総決起大会には、会場いっぱいの二千人が集まりました。日本共産党の志位和夫委員長と社民党の福島瑞穂党首がかけつけ、「これまでにない共闘になった」「何としても勝とう」と陣営全体が活気づいています。日本共産党や各政党・団体はそれぞれの宣伝カーを回しており、十七日には市田忠義書記局長が応援に入ります。