2006年4月14日(金)「しんぶん赤旗」

複数滑走路の沖縄新基地案

すさまじい爆音に一変

防衛施設局 01年調査で明らか


 防衛庁は辺野古沿岸案について「周辺の集落では環境基準で『専ら住居の用に供される地域』について定めた基準値70Wを満たしています」(同庁のパンフレット)とさかんにアピールしています。

 しかし、那覇防衛施設局が〇一年三月、米海兵隊普天間基地の米軍ヘリを実際に辺野古沖合で飛行させての騒音記録は、皮肉にもその説明がまったく事実に反していることを示していたのです。

 当時、現地でこの試験飛行を取材した記者もそのすさまじい爆音を耳にこう実感した記憶があります。

 「マリンブルーの静かな海と『ヤンバル(沖縄本島北部の通称)の森』にかこまれた辺野古周辺が、米軍ヘリの爆音でいっきに都会の喧騒(けんそう)の中に放り込まれたも同然だ」

 宜野座村松田区では最大値の八九デシベルを記録しましたが、防衛施設局は試験飛行の米軍ヘリが四機での編隊を再編成する際に「安全を確保するため、通常の経路を離れたもの」と説明しました。地元からは「これこそ実際的な騒音だ」との声があがりました。

 政府・防衛庁はこの試験飛行データや騒音予測データなどをもとに海上基地案を計画。「基準値である七〇W以上の区域が陸地に及ばないために滑走路を辺野古集落の中心から約一・一キロ以上離せばよい」(第四回代替施設協議会での防衛庁長官の発言)として〇二年七月の「基本計画」で「沖合二・二キロ」を確定しました。

 政府はこの「基本計画」と、稲嶺知事が公約にかかげた「十五年使用期限」も棚上げして、危険で巨大な恒久基地となる「沿岸案」を沖縄県民に押しつけようとしているのです。

 (山本眞直)


 《注》Wは、「WECPNL」(うるささ指数)のこと。航空機の騒音レベル(デシベル)に飛行回数を加味したもの。たとえば、平均八十九デシベルで午前七時から午後七時の間に計十回飛んだ場合、七二W、百回飛んだ場合は、八二Wとなります。


 新基地沿岸案 沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部と大浦湾を埋め立て、面積百八十ヘクタールの新基地を建設、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)を移設します。新基地計画は当初、名護市辺野古の約二キロ沖合のサンゴ礁の上に長さ二千五百メートル、幅七百三十メートルの新基地建設を決定(二〇〇二年七月)。しかし貴重なジュゴンやサンゴ礁などへの影響、なによりも基地の県内たらい回しに反対する県民世論の高まりと、一昨年の宜野湾市の大学構内での海兵隊ヘリ墜落事故で海上基地計画は事実上ストップに追いこまれました。滑走路を二本にして着陸・離陸をわけることで集落上の飛行を回避する新沿岸案にも辺野古などの住民から「安全回避が不確定だ」など根強い不安と批判の声があがっています。


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