2006年4月13日(木)「しんぶん赤旗」

「愛国心」自公が合意

教育基本法改悪へ明記

検討会座長 “すぐ法案化を”


 「与党・教育基本法改正に関する検討会」(座長・大島理森元文相=自民党)は十二日、焦点だった「愛国心」をめぐる表現について「わが国と郷土を愛する」とする座長案で合意しました。教育基本法改悪案の今国会提出に向け、与党・政府は大きく動き出すことになります。


「前文」きょう結論

 座長案は「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできたわが国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」としています。

 「愛国心」の明記は「軍国主義を想起させる」「内心の自由を侵す」など厳しい批判を招くことは必至です。

 これまでの検討会では自民党が「国を愛する心」の明記を主張。公明党は「『国』が政府など統治機構を意味すれば軍国主義を喚起させる」として「国を大切にする心」とすべきだと要求していました。

 記者会見した大島座長は、合意した表現について「国という概念のなかに統治機構を含まないという互いの共通理解を勘案した」と述べ、公明党の太田昭宏幹事長代行も「どこまでも統治機構は含まないということ。国家主義ではない」と説明しました。

 自民党は「戦争できる国づくり」のために同法改悪を憲法改悪とあわせて長年の願望としてきました。安倍晋三官房長官も「(家族や国を)守るために自分は戦うという覚悟」を取り戻すことが必要だと述べています(「自由民主」〇五年一月四、十一日合併号)。

 同検討会は前文をのぞく事項について合意に達し、残る前文も十三日に再協議して合意する予定です。

 大島座長は座長案を、十三日の検討会後、同日中に与党協議会(自公両党の幹事長、政調会長、国対委員長で構成)に示し今後の取り扱いを決定してもらうとしており、「できればただちに政府に示し(法案化の)作業に入ってもらいたい」との意向を示しました。


 教育基本法 平和、民主主義の憲法の理想の実現のために一九四七年に制定されました。軍国主義を支えた戦前の「臣民(天皇の家来)」教育を反省し、教育の目的は個人の「人格の完成」にあるとしました。教育の機会均等、行政権力による教育への「不当な支配」の禁止など、今に生きる大切な原則を定めています。


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