2006年4月12日(水)「しんぶん赤旗」

文化にコスト競争なじまぬ

石井議員に中馬担当相 「丸ごと対象でない」

市場化テスト


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(写真)質問する石井議員=11日、衆院行革特

 日本共産党の石井郁子議員は十一日の衆院行革特別委員会で、国立美術館・国立博物館を市場化テストの対象にする問題を取り上げ、文化・芸術にまで効率優先主義を持ち込む政府の姿勢を批判しました。

 美術館などを市場化テストの対象にすることに対して、平山郁夫・東京芸大前学長や高階秀爾・大原美術館長らが「効率性追求による文化芸術の衰退を危ぐする」声明を出すなど、強い反対意見が出ています。

 石井氏の質問に中馬弘毅行革担当相は、「学術・文化はコスト競争にはなじまない。丸ごと市場化テストの対象にしようということではない」という考えを示しました。

 石井氏は、内閣府の規制改革・民間開放推進会議が文部科学省や文化庁の担当者を呼んでおこなったヒアリングについて「議事録を読むと、決めつけ的な暴論が目につく」と指摘。例えば、同推進会議専門委員の福井秀夫政策研究大学院教授は「(文化庁の)感性が信じられない」「博士号をとれないような集団がどうして高度の専門家集団なのか」と語っています。

 石井氏は、福井氏の「展覧会のよしあしは基本的には入場者数で計るべきだ」という新聞での発言も紹介し、「市場万能主義者の採算だけの議論で民間開放が進められている」と批判しました。

 小坂憲次文科相は「(専門委員の発言に)一方的な表現があるような気がします。実態を勉強して発言してほしい」と苦言を呈しました。


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