2006年4月8日(土)「しんぶん赤旗」

「未公開株」 相談が急増

「値上がり確実」と金払ったが

甘い話にご用心


 電話で突然、「上場間近の未公開株がある」「値上がり確実」などと持ちかけられ、金を払ってしまったと消費者センターや日本証券業協会に寄せられる相談が増えています。東京都消費生活総合センターに寄せられた相談件数も、二〇〇五年度は前年度の六倍強という急増ぶりです。あやしげな業者の甘い話にだまされないよう注意が必要です。


 都消費生活総合センターのまとめによると、「未公開株」にかんするトラブルなどの相談は、〇二年度は二十四件、〇三年度は三十九件でした。ところが、近年の未公開株人気を背景に、〇四年度は九十三件と相談が急増、さらに〇五年度は六百十三件(速報値、四月六日現在)と前年度比六倍強にもなっています。

 「未公開株」勧誘トラブルが急増しているため、金融庁や日本証券業協会、国民生活センターなどでは、ホームページなどで、「未公開株購入の勧誘にご注意」と呼びかけています。

 証券業協会に寄せられた相談事例によると―。 ――「上場後は一株八十万円に値上がり確実」とのことで、未公開株を一株三十五万円で購入し、株券が送られてきたが、いまだに上場されない。

 ――未公開株の売買契約を締結したため六百万円を支払ったが、株券が送られてくる前にその販売業者と連絡が取れなくなった。

 もともと未公開株の販売ができるのは、その未公開株の発行会社と登録を受けた証券会社に限定されています。登録されていない販売会社からの勧誘には注意が必要です。

 未公開株は上場されなければ、売買は困難で、これを換金する方法はほとんどありません。

 元野村証券社員の池田有三さんはいいます。

 「うますぎる話には乗らないのが一番です。大金持ちにはいい情報が入るが、一般の人の所にいいもうけ話がくるはずがないと思った方がいい。ちょっとでも不審に思ったら、日本証券業協会の証券あっせん・相談センターや消費者センターに相談することです」

グラフ

 未公開株 証券取引所に上場されていない株。未公開株は、発行企業の定款で、譲渡制限されている場合が多く、一般に出回ることはありません。譲渡制限のある株を取得しても、株券の発行会社に株主として認めてもらうことはできません。


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