2006年4月8日(土)「しんぶん赤旗」

沖縄米軍新基地　滑走路２本に

政府・沿岸案を巨大化

防衛庁長官と名護市長合意

　沖縄・普天間基地（宜野湾市）に代わる米海兵隊の新基地建設問題で、政府は七日、新たに滑走路を二本とする巨大化案をまとめました。額賀福志郎防衛庁長官と沖縄県名護市の島袋吉和市長が同日、防衛庁内で会談し合意したもの。

　日米両政府は、昨年十月の在日米軍再編「中間報告」で新基地について米海兵隊キャンプ・シュワブ（名護市）沿岸部に建設することで合意（沿岸案）していました。今回の案は、この沿岸案を位置を変えずに、着陸用（陸側）と離陸用（海側）の二本の滑走路をＶ字型に建設するよう変更。面積も大幅に拡大する見通しです。

　基本合意書は、「名護市の要求する辺野古地区、豊原地区及び安部地区の上空の飛行ルートを回避する方向」だと述べていますが、(1)シュワブ沿岸部を埋め立てる(2)滑走路の長さは千八百メートルとするなどの「政府案を基本」にしています。

　島袋市長は「三地区の上空を回避してほしいという要望を受け入れてもらえた」といいますが、同市長は今年一月の市長選で「沿岸案反対」を訴えて当選したことから、地元住民の強い批判は避けられません。

　額賀長官によると、この案では辺野古、豊原、宜野座村の松田地区などの上空からずれますが、離陸時の飛行ルートは安部地区の住宅上空付近を通る見通しです。工法や費用については「どのようにコストアップするかは計算していない」と答えました。「米軍の理解を得られるよう努力する」と述べ、米側との調整もこれからであることを明らかにしました。

　環境への影響について長官は、「藻場を犠牲にする部分は増える」と認めました。

　八日には同長官が、上京する沖縄県の稲嶺恵一知事に合意内容を説明する予定です。