2006年4月6日(木)「しんぶん赤旗」

京都知事選 9日投票

府民と心かよう女性知事に

冷たい府政 ガマン限界

“衣笠さんで変えて”の声


 府民と心かようあったか“女性知事”か、府民に冷たい“官僚知事”か―九日投票の京都府知事選は最終盤、対決構図がより鮮明になってきました。労組・民主団体や日本共産党、幅広い個人でつくる「民主府政の会」の衣笠洋子さん(56)が、党派を超えた“悪政への怒りの一票”を積み上げ、自民、公明、民主、社民の「オール与党」が推す現職の山田啓二知事(52)を追い上げています。


 京都市中京区の「民主府政の会」東南連絡会は、支持を大きく広げています。保守の強い地域ですが、同会の女性(78)は「電話で『暮らしが悪くなりましたねえ』と切り出して話していますが、ガチャンと切られたのは一件だけ。小泉さんの悪い政治に怒りが広がっている」と話します。

 一日からの医療・福祉の負担増など「格差と貧困」を広げる小泉政治。山田知事は、その政治に「同感」と言い、悪政を加速させてきました。

 患者らの声を全く聞かずにリハビリ医療の拠点の府立洛東病院を廃止し、高すぎる国保料を払えない世帯から国保証を取り上げる通達を出し、大企業誘致のための補助金を一社最高二十億円に引き上げて伝統地場産業の予算は二億円に半減させる―府民には冷たい“官僚府政”です。

反共攻撃に躍起

 「こんな冷たい府政が続けば大変です」という衣笠さんや「民主府政の会」の論戦に対し、山田知事はうそとごまかしで「反撃」するばかりか、府民の暮らしへの暴言を繰り返しています。

 国の規制緩和による大型店出店に苦しむ商店街には「商店街の方にも努力していただきたい」「土日になると朝から店を閉めている」などと発言。

 医師不足の府北部で相次ぐ産科閉鎖に不安が広がっていても、「厳しい仕事につこうとしない医者が増えているから産科、小児科の先生が足りない」と人ごとです。

 府民の批判が高まると、「なかなか思いが伝わらない選挙戦だ」と嘆いています。

 支える陣営内も矛盾だらけです。京都が地元の前原誠司民主党代表の辞任問題では、福山哲郎民主党府連会長・参院議員らが「今一度、お見限りなく」と、知事選の演説会で“おわび行脚”。

 前原代表も二日に初めて応援に入り、山田知事を「本当の改革の実行者だ」と持ち上げましたが、民主党のある地方議員は、「知事選どころやない。陣営内からも『何をやってるんや』と怒られて、事務所にも行きにくい」ともらします。

 谷垣禎一財務相や浜四津敏子公明党代表代行らが応援に入り、竹中平蔵総務相も入洛を予定。抱えた矛盾を、反共攻撃で乗り切ろうと躍起です。

草の根の支持が

 一方、三万一千人の府民アンケートの暮らしの願いから出発して「命と暮らし、憲法守るあったか府政を」と訴える、衣笠さんには、哲学者の鶴見俊輔さんをはじめ全国の著名人や前原民主党代表の後援会員、初めて選挙の応援演説をした宗教者など、草の根の党派を超えた府民が支持を寄せるとともに勝利のために立ち上がっています。

 京都市内で団体長をする自民党支持者の男性は、「いろんな演説会には行くが、投票を棄権することもあった。でも今の政治は全部だめ」と怒り、演説会で持ち帰った「民主府政の会」のポスターを張り出しています。

 「民主府政の会」は、「府民一人ひとりのつぶやきに耳を傾け、府民一人ひとりの自主的・自発的な行動を引き出す“あったか行動”に徹しよう」とよびかけ、双方向・対話型の活動で百万人への宣伝・対話をやりきろうと奮闘。日本共産党は、志位和夫委員長や市田忠義書記局長らが応援に入り、六日には、市田書記局長が狂言役者の茂山千之丞さんたちと、衣笠知事の実現を訴えます。


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