2006年4月5日(水)「しんぶん赤旗」
岩国基地1日の飛行回数
艦載機移転で1000回超も
400回前提の騒音予想崩れる
防衛施設庁は米空母艦載機移転後の米軍岩国基地(山口県)で、一日当たりの飛行回数を平均四百回と住民に説明していましたが、最大では千回を超えることが四日までに、本紙が情報公開請求した資料から明らかになりました。
防衛施設庁の公開資料
施設庁は、艦載機移転後、岩国基地の一日当たり飛行回数が四百回になることを前提に「騒音コンター」(騒音予想図)を作成していました。
今回、情報公開で「四百回」のもとになったデータを請求。一九八九年七月―九〇年六月末の岩国基地における三百六十五日すべての一日当たり飛行回数、二〇〇三年度の厚木基地艦載機の三百六十五日すべての一日当たり飛行回数、の二つの資料が公開されました。
施設庁は前記の両資料から、岩国・厚木艦載機それぞれ、飛行回数の多い日から10%目になる三十七日目の飛行回数「岩国 三三七回」「厚木艦載機 一三〇・三五回」を取り出して、さらに両者を足した上で、配備戦闘機数が調査時より現在の方が減っているとして下方修正して四百回に設定したのだとしています。
今回、新たに資料が公開されたことで岩国・厚木艦載機の飛行回数を合計すると最大千二百六十七回、上位十位内でも七百回を超えることが分かりました。
施設庁は、現在までの両基地の配備機数の変化を理由に飛行回数を調整しているため、単純に足し算はできませんが、施設庁が用いた「四百回」というデータは艦載機移転後の深刻な基地被害を反映するものとはいえないことが分かります。
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