2006年4月5日(水)「しんぶん赤旗」

石油火災消せない

行革特で吉井議員 消防士不足解消せよ


 「京葉コンビナートを抱える千葉県市原市では国基準の六割足らずしか消防職員がいない。これに一律4・6%の削減をかけたらどうなるか」。日本共産党の吉井英勝議員は四日、衆院行革特別委員会で、大規模地震によるコンビナート火災に現状の消防士配置では対応できないことを示しました。

 吉井氏は「国民の安全やくらしを支える公務は充実させる計画を示せ」と要求しました。

 東海地震など大規模地震が起きた場合、コンビナートの石油タンクでは浮き屋根の破損などで火災が相次ぐ可能性の高いことが国の中央防災会議の専門家から指摘されています。三年前の北海道・十勝沖地震では、苫小牧市の石油タンクで長周期地震動による「浮き屋根沈没事故」がおきて原油やナフサがあふれ出すなど火災がおきました。

 三大都市圏のコンビナートには一千基を超える浮き屋根式の石油タンクがあります。

 しかし大阪・堺泉北コンビナートを抱える堺・高石消防本部管内をみると、国の基準では消防職員九百九十五人が必要ですが、現状は八百八十三人で、百十二人不足しています。ポンプ車もはしご車も石油火災のための高圧化学消防車も兼務のため、地震災害で最初にポンプ車が出動すれば、遅れて発生しやすい石油タンクの大規模火災は職員が不足して出られません。全国的にも国基準に対する消防士の充足率は75・5%です。

 吉井氏は「中央防災会議専門委員から警告されても、現実は消防職員が不足し、近い将来予測される大地震による大規模石油タンクの災害に対応できないのが実態だ」と追及しました。

 竹中平蔵総務相は「安心安全のために必要な手当てはしっかりと行わなければならない。その中でもメリハリが今後出てくるだろう」と答弁。吉井氏は「メリハリどころかそもそも最低基準が充足していない。100%の充足を考えるべきだ」と重ねて求めました。


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