2006年4月1日(土)「しんぶん赤旗」

地中貫通兵器 6月に実験

米・ネバダで大規模爆発計画


 【ワシントン=鎌塚由美】米国防総省が地中貫通型の新兵器開発を目的に、大規模な爆発実験をネバダ州の実験場で六月二日に実施する計画であることが明らかになりました。三十日にワシントン・ポスト紙(電子版)などが伝えました。

 今回の実験では、通常型の爆薬約七百トンを爆発させ、破壊力を測定するといいます。実験では、上空に巨大なきのこ雲が立ち上がることが予想されています。

 ブッシュ政権は、地中深くにある軍事施設を攻撃するための地中貫通型核兵器の開発を目指していますが、今回の実験で試験される通常兵器は「核兵器の代用兵器ともなる」とワシントン・ポスト紙は指摘しています。国防総省は二〇〇一年の核態勢見直し(NPR)報告以来、地中貫通型核兵器の開発・研究予算を要求してきましたが、議会は承認していません。

 観光地ラスベガスの北西約百キロに位置する実験場での地上爆発実験は、地上核実験が一九六三年に停止されて以来初めてとなります。ネバダ州選出のバークレー下院議員(民主党)は同日、声明を発表し、「実験場で大規模な爆発実験が行われるのだから、ネバダ住民の健康や環境への潜在的危険がないことを確かにする必要がある」と述べ、「核実験が行われた場所の汚染状況を考えると、粉じんや汚染物質が飛散するという現実的な懸念がある」と語りました。


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