2006年3月30日(木)「しんぶん赤旗」

低賃金で夏季休暇もなし

「謝金職員」の実態


 全国の社会保険事務所で年金相談などを行う「謝金職員」(専門的な仕事を行う非常勤職員)の実態が問題になっています。

 約二万九千人の社会保険庁職員のうち非正規は約一万一千四百人、その半分近い約五千人が謝金職員です。ある社会保険事務所の年金相談コーナーでは正規職員一人、謝金職員四人。「年金に関する業務は増えていて、謝金職員は欠かせない」といわれています。ところが、午前八時半から午後五時まで働いても日給七千百円(五年経過すると七千七百円)という低賃金。夏季休暇もありません。

 しかも一部の謝金職員が道理のない処分を受けています。二〇〇四年に国会議員などの国民年金未加入が発覚したとき、個人情報を「業務外閲覧」したとされた社会保険庁職員三千二百七十二人(正規職員も含む)が処分されました。なかには閲覧を否定した人も含まれました。

 今月末には、「戒告」以上の処分を受けた謝金職員のうち百八十四人を契約更新しない「雇い止め」にしようとしています。

 年金保険料の個人情報は、担当する職員が持っているカードを機械に差し込むことで見ることができるため、カードを持っている職員が処分の対象になりました。しかし、社会保険庁が職員にカード管理を徹底させたのは、問題が発覚してから。職員たちは「社会保険庁の責任は重大」との声を上げています。

 「雇い止め」を言い渡された謝金職員は「見ていないのに処分されるのは納得がいかない。カードの持ち主というだけで処分されるのは矛盾している。まるで処分先にありきだ」と言います。この問題は参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員が追及。人事院に不服審査請求を提出している職員もいます。


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