2006年3月27日(月)「しんぶん赤旗」

佐賀県知事　玄海原発のプルサーマル同意

県民の命犠牲にするな

共産党が計画撤回訴え

　佐賀県の古川康知事が、九州電力の玄海原子力発電所３号機（佐賀県玄海町）でのプルサーマル導入計画を受け入れると表明したことにたいして、日本共産党の武藤明美県副委員長（前県議）は二十六日佐賀市内で街頭宣伝にたち、強く抗議し、計画に反対する県民の声を広げ、撤回を求めようと訴えました。

　武藤氏は、国内でも実証のない同計画の受け入れは、県民の命と安全を守る立場から許されない暴挙だと指摘しました。

　知事がこの計画を受け入れるために二月七日に「安全宣言」をしたが、安全への独自の検証の根拠もいまだに示していないとのべました。この計画を進めてきた東京電力や関西電力は相次ぐ原発事故やデータ隠しなどの不祥事で計画が頓挫しているのに、なぜ佐賀県の原発で実施するのかと批判しました。

　石川県の志賀原発で差し止め判決が出されたように、原発の耐震基準の見直しの必要性が明らかであって、県の同意には県民も納得はしないとのべました。

　危険な同計画を受けるのは、国からの交付金六十億円のために県民の命とくらしを犠牲にするものとしか言いようがないと指摘しました。

　これには、田中秀子新日本婦人の会会長が同行しました。

　同日、玄海町と隣接する唐津市では知事の同意に抗議し、日本共産党・まつら会派の唐津市議団や玄海原発対策住民会議が宣伝行動をおこないました。

知事の職責放棄
無謀行為に抗議

共産党県・地区委

　日本共産党佐賀県委員会（平林正勝委員長）と北部地区委員会（山口勝弘委員長）は二十六日、古川康知事が九州電力のプルサーマル計画を「事前了解」したことにたいして抗議声明を発表しました。声明は、知事の「事前了解」は、県民の命とくらしを守る知事の職責を放棄する行為であり、断じて許されないと指摘し、「佐賀県をプルサーマルの実験場にするな」との県民の声を代表し、知事の無謀な行為に強く抗議するとしています。

　声明は、日本共産党が国会で「全国の八割以上の原発が地震による津波の引き潮で冷却用の海水が取水できなくなる」と指摘し、経済産業省の二階大臣がこの危険性を認め電力会社に指導を約束した事実をあげ、玄海原発１号機は四メートル、２、３、４号機は五メートルの引き潮で取水ができなくなるとも批判しています。