2006年3月21日(火)「しんぶん赤旗」

“空の安全”に役立つ

ニアミス 管制官無罪判決

関係者ら「高く評価」


 「無罪」の垂れ幕を掲げた支援者が飛び出してきた瞬間、緊迫した空気に包まれていた東京・霞が関の東京地裁前は、一瞬にして拍手と喜びの声でわき上がりました。「よかった、よかった」と肩をたたき合い、涙する人も。「個人責任の追及では航空事故はなくならない」と書いたゼッケンを着けた支援者たち。二十日、日航機ニアミス事故の判決に、乗務員や管制官などの航空関係者ら約百五十人が駆けつけました。

 判決後、弁護団と業務上過失傷害罪に問われた二人の管制官が司法記者クラブで会見しました。

 事故の負傷者への謝罪と反省の言葉の後、判決への感想をのべた二人。蜂谷秀樹さん(31)は、この間、同様の事故が起きないよう技術的な改善がされてきたとして、「この判決が、さらなる航空の安全に寄与すると思う」と語りました。

 籾井(もみい)康子さん(37)は「うれしいというより感動した。二度とこういう事故が起こらないと確信している」。赤く目をはらし、時折、言葉をつまらせた籾井さん。二人の顔に笑みはないものの、「管制官の仕事に戻りたい」と語りました。

 主任弁護人の鍜治伸明弁護士は「私たちの主張がほぼ全面的に認められた。納得のいく判決です」とのべました。

 裁判を傍聴したパイロットの男性(56)は「個に責任を押しつけるのはあまりにも酷だと思っていた。仲間も皆、喜んでいる」と語っていました。

 裁判を支えてきた全運輸労働組合(全運輸)は同日、安藤高弘書記長名で談話を発表。複合的要因による「システム性事故」であるにもかかわらず、責任を管制官個人に負わせ刑事責任を追及してきた検察を批判。無罪判決を「高く評価する」として、「検察は事故の再発を防止し、国民の生命と財産を守る観点から控訴を断念すべきである」とのべています。

 同日夕、全運輸は判決報告集会を日本弁護士会館で開きました。


 TCAS(航空機衝突防止装置) 航空機同士の衝突を防止するための機器。自機の周辺を飛行中の航空機と電波を送受信し、相手機の方位、距離、高度などを自動的に計算します。衝突の危険がある約四十秒まえに接近警報(TA)を発し、約二十秒前に上下方向に緊急回避(RA)を指示します。


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