2006年3月20日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

フットサル場「ほしい」を実現

1時間600円“利用しやすいね”


 民間のフットサル場の利用料金は一時間一万円前後。学生割引を使えば五千円の施設もあります。夜間はさらに高くなります。


 誰でも楽しめる「フットサル」。いまや、初心者向け、男女ミックス(混合)など、さまざまな種類の大会が開かれるほど、全国に広がっています。しかし、気軽に利用できるフットサル場が不足している現状もあります。そこで、東京都港区の日本民主青年同盟(民青同盟)のメンバーが中心になり、利用料金は一時間六百円(夜間・照明料一時間五百円)で利用できるフットサル場を実現させました。(小川浩)


東京・港区の民青同盟

 今月一日、東京都港区立フットサル場の第一号がオープンしました。五日には、記念大会を開催。初心者から経験者まで、男女混合の五チームが参加し、総当たり戦をたたかいました。

 参加した谷村久美子さん(28)=高校非常勤講師=は、「最初はできたらいいな、でした。それが、区の予算がついて完成したので、素直にすごいと思いました。初対面の人もいて、友だちづくりの場にもなると思います」と話しました。武田秀樹さん(24)=建設業=は「仲間が集まって楽しめます。シュートが決まって気持ちいいですよ」。

 民青同盟港地区委員会メンバーの取り組みが始まったのは二〇〇一年。きっかけは、民青同盟主催のスポーツ大会でした。参加したフットサル好きの男性が、「フットサル場は高くて借りられない」と話したこと。

 まずはフットサル大会を開きプレーの機会をつくりました。続いて、署名やフットサル場利用者の聞き取り調査。調査で、区内には民間コートが一カ所だけしかなく、予約ができない、利用料が高いことがわかりました。

 〇四年三月、二十のフットサルチーム、約百五十人で「港区にフットサル場設置をめざす青年の会」をつくりました。同時に毎月、フットサル大会を開き、チーム同士で交流しました。

 それをうけ、日本共産党区議団も区議会の質問で利用しやすいフットサル場の設置を提案しました。会の請願は三回。四年越しの取り組みでした。

 今年、二カ所目が完成する予定。今後、民青同盟港地区委員会は、地域全体で月一回の大会を開く計画です。


出発点は1人のつぶやき

 フットサル場実現の取り組みについて、民青同盟港地区委員会の委員長・釘田彩香さん(30)は「一人の若者のつぶやきから動きはじめました」といいます。

 民青同盟港地区委員会は、これまでバスケットゴールの設置を区に働きかけ、実現した経験があります。今回はその経験を生かしました。スポーツイベントを企画し、地域の若者たちに気軽に声をかけました。

 「バスケットをしている場所に行き、民青同盟を知らない人にも声をかけイベントにも誘ってつながりをつくりました。現状の世の中は変わらないと思っている人は多いかもしれません。でも、働きかければ署名もしてくれると思っていました」

 フットサル場設置の運動は、それだけにとどまりません。

 「声をかけて話していくと誰でも、自分の今や将来に不安を持っていることがわかります。例えば、上京して春から大学生になる人の『友達はできるかな』ということから、『就職は大丈夫かな』など、学生生活の相談にものります。つぶやくような要望にも耳を傾けています」

 港区でも若者が置かれている現状は、きびしいものがあります。平日は十時、十一時まで会社で働く。休みの日はたまった家事をするか夕方まで寝ている。休日出勤も少なくない―。

 釘田さんは言います。

 「『恋愛もできない』という声は叫びにも似ています。若者たちは、世間から自己責任、弱肉強食という価値観を押しつけられ、自分を見失い埋もれそうになっています。だからこそ、民青同盟で学び、遊び、生きる展望を持ってほしい。フットサルを通して友人の輪も広がります。これからも広げていきたいですね」


 フットサル 試合は、5人以下2つのチームで行います。チームの選手のうち1人は、ゴールキーパー。時間は、前、後半の20分ずつです。交代要員は、最大7人まで。試合中に行われる交代の回数は、制限されません。

 コートの長さは、最小25メートル、最大42メートル。幅は最小15メートル、最大25メートル。ゴールの大きさはたて2メートル、幅3メートルです。

 人気上昇中のスポーツで、日本での人口は80万人ともいわれています。


お悩みHunter

一生懸命やってる…でも自信がもてない

 Q私は授業中に発言するし、成績も悪くありません。来年は学校から選ばれてアメリカに留学もします。でも自信がありません。多分ほめられて育ってこなかったからだと思います。努力しても親は何もほめてくれませんでした。一生懸命やったけどたいしたことやったわけではないと思ってきました。いつ自信がつくのだろう。(大学二年、男性。千葉県)

結果だけ見ていませんか?

 Aあなたの「自信をつけたい」という言葉の中に、あなたのこれまでの葛藤(かっとう)が伝わってきました。あなたはよく勉強し、とても行動的でがんばる人だと思います。しかし、そんな自分に「自己肯定感」が持てないでいるようですね。

 おそらく今まで、親や周囲の人たちから褒められるよりも「もっとがんばれ、もっと、もっと」と言われ続けてきたのではないでしょうか。これでは、いくらがんばっても達成感や満足感が得られず、なかなか自信には結びつかないかもしれません。

 今の社会は、人を認め評価することがあまりないように思います。「できて当たり前、いちいち褒めないよ」みたいな風潮です。また「自信がある」「自己肯定感を持つ」ということが、「自信過剰」「うぬぼれ」というようなマイナスに捉える傾向もあるように思います。

 あなた自身は、周囲の人たちのことを認めているでしょうか。成果や結果だけでなく「がんばり」を見てあげていますか。自分を認めることと他人を認めることはつながっていると思います。

 まずは、自分のがんばりに対して、「よしよし、よくやったよ」と自分を褒めてあげてください。少しずつの自己肯定が大切です。他人に認められるよりも、最後には自分で自分を認めることが、自信になるのだと思います。


第41代日本ウエルター級チャンピオン 小林 秀一さん

 東京工業大学卒。家業の豆腐屋を継ぎながらボクシングでプロデビュー。99年新人王。03年第41代日本ウエルター級チャンピオン。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp