2006年3月20日(月)「しんぶん赤旗」

イラク開戦3年 市民犠牲に抗議

英軍撤退まで行動

市長・与野党議員も訴え


ロンドン

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(写真)18日、イラク戦争開始3年を前に、ロンドンで行われた英軍のイラク撤退を求めるデモ(岡崎衆史撮影)

 【ロンドン=岡崎衆史】イラク戦争開始三周年を前にした十八日、ロンドンで英軍のイラク撤退とブレア首相の退陣を求めるデモと集会が行われ、十万人(主催者発表、警察発表は一万五千人)が集まりました。与野党の国会議員、ロンドン市長、元大使など有力者を含む全英から駆けつけた人々が参加しました。

 沿道からの声援や車のクラクションによる激励が飛ぶ中、デモ参加者は市内中心部の国会前からトラファルガー広場まで行進し、同広場で集会を開催しました。

 集会で演説したリビングストン・ロンドン市長は、イラクで今でも多くの市民が死亡していると指摘し、「殺りくが中止されるまで抗議デモを続ける」と表明。ブッシュ米政権がイラン攻撃準備を進めているとの懸念が広がっていることに触れ、新たな戦争につながる動きを批判しました。

 ロンドン西部から列車で一時間半かけて駆けつけた学生のエドモンド・ジョーンズさん(19)は、イラク戦争反対のデモ参加は今回が初めて。「イラクで多くの人々が死亡していることや英兵が民間人に暴行していることをニュースで知り、道徳的に許せないと思いました」と、参加の動機を説明しました。

 イラク戦争開始前からほとんどの反戦デモに参加してきたというレズリー・ドクシーさん(62)は、イラクで死亡した百人を超える英兵の写真が載ったプラカードを自分でつくってきました。ドクシーさんは、イラクの状況に懸念を示しながらも、「この三年で英国民は、政治に関心をもち、平和の問題をよく考えるようになった」と指摘。「英軍の撤退までデモを続ける」と述べました。

 この日のデモは反戦団体の「戦争ストップ連合」などが主催しました。

高校生から年金生活者まで

ベルリン

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(写真)血に塗られたミサイルをもつ自由の女神像を抱えてデモ行進する男性=18日、ベルリン(中村美弥子撮影)

 【ベルリン=中村美弥子】ベルリンで十八日、イラク戦争とテロに反対する集会とデモが開かれました。

 左翼団体や労働組合、キリスト教団体などが呼びかけた行動には、高校生から年金生活者まで幅広い人々が参加し、平和を訴えました。

 集会会場には、思い思いのプラカードや横断幕をもった人たち約千人が集まり、熱気に包まれました。

 「平和を求める世界中の人たちと連帯したい」との思いから参加したというフィリスさん(17)とイリスさん(16)。「若い人の中に無関心が広がっているけど、学校で平和のことをもっと伝えていきたい」と元気よく話しました。

 米国人のパメラ・セルウィンさん(47)は「国民の税金を浪費する戦争はやめるべきだ。いまでは米国民の大半がイラク戦争に反対している。戦争をやめさせるためにもっと世論を大きくしなければ」と語りました。

 「戦争反対の意思を示すために参加した」と話す大学生のエリケさん(21)と高校生のヒニャクさん(18)は「いま一番大事なのは、戦争ではなく、平和的な解決の道を求めること。戦争はテロの原因にしかならないから」と言い切りました。

 この日、ドイツではミュンヘン、フランクフルトなど二十以上の都市で反戦・平和の行動がありました。


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