2006年3月13日(月)「しんぶん赤旗」
ミロシェビッチ元大統領死去
戦犯法廷が司法解剖
【ロンドン=岡崎衆史】旧ユーゴ国際戦犯法廷のデルポンテ首席検事は十二日の記者会見で、前日死亡したミロシェビッチ被告(ユーゴ元大統領)の遺体の司法解剖結果が判明するのは十二日夜(日本時間十三日未明)か十三日朝(同午後)になるとの見通しを明らかにしました。解剖は元大統領の母国セルビアの専門家も立ち会う形で実施されます。
同法廷によると、ミロシェビッチ氏は十一日午前九時すぎ、拘置所内のベッドに横たわり呼吸が止まっているのを看守に発見されました。
同氏は、一九九〇年、セルビア共和国大統領に当選しました。同氏は、九一年から九二年にかけてのユーゴスラビア連邦解体後のクロアチア紛争やボスニア・ヘルツェゴビナ内戦、コソボ自治州紛争で起きた敵対民族の集団虐殺「民族浄化」の責任を問われ、六十以上の罪で起訴されていました。同氏は九二年にセルビアとモンテネグロが結成した新たなユーゴスラビア連邦の大統領に九七年に就任しています。
同氏は、二○○○年十月の民衆蜂起で失脚。翌○一年四月に逮捕され、旧ユーゴ戦犯法廷に引き渡されました。
同氏は、この法廷の合法性を認めず、無罪を主張。北大西洋条約機構(NATO)のユーゴ空爆を「米国による戦争」と告発し、たたかう姿勢をみせていました。
同氏は、心臓病と高血圧症を患い、体調不良から公判は二十回以上中断していました。

