2006年3月8日(水)「しんぶん赤旗」

靖国参拝 やめる勇気を

中国外相 独・米などの批判紹介


 【北京=菊池敏也】中国の李肇星外相は七日午後、北京の人民大会堂で記者会見し、日中両国の政治関係がいま困難に直面している原因は「日本の個別の指導者がいまなお侵略戦争を発動、指揮したA級戦犯への参拝を堅持していることだ」と発言しました。名指しはしなかったものの、小泉首相の靖国神社参拝を厳しく批判しました。

 李外相は「これは非常に厳粛な問題だ」と前置きし、中国人民だけでなく「他の多くの国の人民も受け入れることができない」と、ドイツ、米国、マレーシアの声を紹介しました。李氏が紹介したドイツ政府関係者の声は、「ドイツの指導者で第二次世界大戦後、ヒトラーやナチへの崇拝を表明した人はいない」というものです。

 米国政府関係者は、米国民も真珠湾攻撃を忘れないと語り、マレーシアの友人も「日本の侵略者がパールハーバーを空襲した同じ日に、マラッカ(マレー半島)を空襲し、多くの罪のない民衆を傷つけた」と話したといいます。

 李外相は、「歴史問題では中国人民は被害者だ。肝心なのは、日本の一部指導者が誠意と勇気を十分に示し、自らの誤った行動を正すことだ」とし、参拝中止の決断を促しました。

 李外相は同時に、「日本との善隣友好協力関係を発展させる中国側の基本方針は変わらない」とも発言。胡錦濤国家主席が昨年四月、インドネシアのジャカルタで小泉首相と会談した際に示した日中関係に関する主張を再確認しました。


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