2006年3月8日(水)「しんぶん赤旗」
飛鳥岡本宮か 建物跡
奈良 内郭中枢、火災裏付け
奈良県立橿原考古学研究所は七日、飛鳥京跡内郭中枢(奈良県明日香村)で、柱穴に焼け土や炭が詰まった大型建物跡を見つけたと発表しました。東西約二十四メートル、南北約十二メートルの大型建物一棟と、それと柱筋を合わせた掘立て柱建物一棟などが確認されました。
今回の調査区の南隣にあたる昨年の調査結果と合わせて考えると、同跡内郭中枢に同じ規模と構造の建物が南北に併存していたことがわかりました。
建物は、舒明(じょめい)天皇が造った飛鳥岡本宮(あすかのおかもとのみや)の宮殿の一部とみられ、「日本書紀」の「(六三六年)六月、岡本宮が火災に遭った」という記載を裏付けるものと注目。六五六年からの後飛鳥岡本宮、六七二年から始まる飛鳥浄御原宮の時期に存在したと考えられます。
同研究所は、どちらも正殿とよぶべき性格をもった建物と考えられ、南のものは天皇の私的スペースの中でも儀式などを行う公的な建物で、今回検出した北の建物は、より私的な居住空間とみてよいのではないかと推定しています。
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現地説明会は十一日午前十時〜午後三時、近鉄橿原神宮駅前からバス、岡橋本下車徒歩五分。(駐車場はありません)

