2006年3月6日(月)「しんぶん赤旗」

防衛施設庁

歴代技術審議官天下り

土建業界ばかり


 防衛施設庁発注工事をめぐる官製談合事件で、施設庁の現技術審議官と前技術審議官が逮捕されました。歴代の技術審議官八人の天下り先を調査したところ、ほとんどが財団法人などを経由した後、施設庁と関係の深い建設・土木業界に再天下りしていることが五日までに分かりました。

 技術審議官は、防衛施設庁のナンバー3で、技官のトップです。施設庁では、技術審議官を中心に各種工事で長年官製談合が続けられてきたといいます。

 施設庁に在籍したことのあるOBの親ぼく団体「施友会」の会員名簿(二〇〇五年版)や施設庁の資料によると、財団法人の理事長に天下りした四人の歴代技術審議官のうち三人は、ゼネコンやマリコン(海洋土木会社)に再天下りしていました。(表参照)

 残る一人は、現在の理事長で、逮捕された生沢守前技術審議官です。

 この財団法人は、東京・秋葉原駅近くにある防衛施設技術協会で、今回の談合事件で約五時間にわたり家宅捜索を受けました。

 自衛隊法で、退職後二年間は防衛庁や防衛施設庁と契約関係のあった企業への天下りは制限されています。

 このため、退職する技術審議官は、同協会の理事長(月給百九万円)として二―三年過ごした後、ゼネコンの顧問として再天下りする仕組みとなっています。天下りの“待機場所”、“トンネル機関”といわれています。

 同協会を退職した施設庁OBの平均在職期間はわずか二年十カ月です。

 同協会を経由しなかった四人の元技術審議官も、全員が建設・コンサルタント会社に再天下りしています。

 再天下り先七社のうち、五洋建設と東亜建設工業は、今回の官製談合事件で家宅捜索を受けています。

表

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