2006年3月3日(金)「しんぶん赤旗」

成功させよう

岩国住民投票 今月12日

“基地の理解者”という保守市議も


 保守系の岩国市議(山口県)が住民投票を成功させようとビラを配り始めました。別の市議も住民投票学習会を予定、参加を呼びかけています。岩国市議会は、多数が住民投票実施に反対や慎重を求めたりしましたが、変化の動きが見えてきました。

■信頼裏切る国■

 三月一日、市の住民説明会会場で、渡吉弘市議=市民クラブ=は「住民投票へ行きましょう」と書かれたビラを配っていました。

 「説明会会場の外などで配っているよ。きょうで五、六回目かな」

 ビラには渡市議の心情がつづられています。

 「私は当初、議会に身を置く者として、市長が直接住民に意見を問う、住民投票の発議に一抹のさみしさを感じた」

 「しかし住民説明会で多数の市民から住民投票の実施を要求する声がたくさん出た」

 「市民から『負託にこたえることができなかった』と判断された以上、仕方ないかもしれない」

 渡市議は「私は岩国基地のよき理解者。これは今後も変わらない」と記しつつ、「日米同盟は地元と国の信頼あってのもの。地元に事前協議もなく、『国防』の二文字だけで、厚木の騒音や危険を『たらい回し』してくる国の行為こそ、長い年月を経て築いてきた信頼を裏切るものだ」と批判しています。

 本紙の取材に「住民説明会で議会批判が出た時はショックだったよ。でも今は住民投票を成功させたい。そんな気持ちで配っているんだ」と語りました。

■一石投じたい■

 姫野敦子市議=清風クラブ=は、四日午後一時半から岩国市民会館で、住民投票学習会を開きます。

 「あなたが決める! 米空母艦載機の移転案受け入れの賛否」と題し、「住民投票と選挙どう違うの?」「全国に広がっているのはなぜ?」「議会軽視ってことになるの?」といったテーマを議論します。

 「ボイコット運動ではなく、みんなで住民投票を成功させたい。今度の再編案は国が頭ごなしに押し付けてきた。投票率50%を超え、市民の意思を示して一石を投じたい。市民の良識を信じます」と語りました。


3団体頑張る

 米空母艦載機部隊の神奈川県・厚木基地から山口県・岩国基地への移転に反対する、岩国市内の三つの市民団体は、十二日の住民投票へむけ、それぞれ運動を広げ、「投票に行こう」と呼びかけています。

 「艦載機受け入れ反対に〇をする会」は宣伝をつよめています。四、五の両日は、ハンドマイクや宣伝カーによる宣伝、全戸ビラを配布し、市民との対話に力をつくします。会としてこれまでに二種類のビラを発行しています。

 「住民投票を成功させる会」はビラを全戸配布して投票を呼びかけています。五日には、「3・12GO!」の人文字をつくり、「投票へ行こう」とアピールします。当日は錦帯橋の河川敷で人文字のほか、スピーチや歌などで、投票を訴えます。それに向けて、ビラを配布し、参加者をつのっています。

 「岩国への空母艦載機と夜間離着陸訓練(NLP)移転反対の市民の会」は、移転によって騒音がどうなるのか、厚木の資料も紹介したビラをつくり、街頭や住民説明会の会場前などで配布しています。


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