2006年2月21日(火)「しんぶん赤旗」

施設庁談合

建築工事でも関与か

元審議官ら「空調」で起訴


 防衛施設庁工事の官製談合事件で、自衛隊中央病院などの空調設備工事の競争入札前に受注予定社を決め、落札させたとして、東京地検特捜部は二十日、刑法の談合罪で、防衛施設技術協会理事長生沢守容疑者(57)ら三人を起訴しました。三人は、在日米軍岩国基地(山口県岩国市)滑走路移設事業などの土木建築工事でも、受注調整を主導した疑いが強いことが同日、関係者の話で判明。事件は、大手ゼネコンが受注する土木建築分野でも、刑事責任が問われる事態に発展する見通しとなりました。

 ほかに起訴されたのは、前技術審議官河野孝義(57)、前施設調査官松田隆繁(53)両容疑者。空調設備会社大気社の元取締役で元仙台防衛施設局建設部長(63)ら二人と新菱冷熱工業、三機工業の各営業担当者は略式起訴され、東京簡裁は同日、四人にそれぞれ罰金五十万円の略式命令を出しました。

 一方、関係者によると、談合の疑いがあるのは、岩国基地滑走路移転工事のうち、二○○四年以降に入札が行われた中央地区の地盤改良工事や埋め立て工事など。

 入札当時、生沢容疑者は同庁ナンバー3で技術系トップの技術審議官で、河野容疑者が建設部長、松田容疑者が建設企画課長を務めており、受注調整を指示した疑いが持たれています。

 三人は岩国だけでなく、各防衛施設局が発注する土木建築工事全般で、建設会社に天下りした同庁OBの在職状況などを勘案し、受注予定社を決定していました。

 業者同士の調整は、土木工事は鹿島、建築工事では大成建設の幹部が「窓口役」となっていました。岩国基地工事では、中堅ゼネコンに天下った複数の元技術審議官OBや大林組の非常勤顧問も調整に関与していましたが、業者の決定権は生沢容疑者ら現職技術系幹部が持っていたといいます。

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