2006年2月18日(土)「しんぶん赤旗」

米軍移転「反対に○をする会」結成


■岩国住民投票成功へ

 山口県岩国市の住民投票を成功させようと「艦載機の移転受け入れ反対に○をする会」(略称・反対に○をする会)が十七日スタートしました。会は会見し、「広く投票を呼びかけ、さらに反対に○をと訴えていく」としています。

 岩国市の労働組合、民主団体、平和団体を中心に二千人で構成。会長に吉岡光則・山口県高教組委員長、事務局長に登尾俊明さん=国労組合員=を選びました。

 会アピールは、政府が地元自治体と米軍再編の事前協議をすることを約束していたことを指摘。「その約束を踏みにじり、何の情報提供もなく再編構想を押しつけた上、『修正も撤回もあり得ない』と明言したことに強い怒りを覚える」と批判しました。

 「艦載機部隊移転で基地の性格が根本から変わり、NLP(夜間離着陸訓練)や通常訓練のタッチ・アンド・ゴーで想像を絶する騒音がまき散らされ、米兵人口増加で犯罪多発も予想される」と指摘しました。

 のぼりやポスター、ビラなどのシンボルカラーは黄色です。今後、市内中心部に事務所を設置し、ビラは五万枚を二回配布します。電話の投票呼びかけを始めました。

 登尾氏は「『住民投票を成功させる会』(大川清さん=牧師=)や『岩国市民の会』(河本かおる代表)とも一緒に協力していきたい」と表明しました。

■山口県、国との交渉求める

■岩国市長「撤回へ民意問う」

 空母艦載機部隊移転の是非を問う住民投票が行われる岩国市に十七日、綿屋滋二・山口県副知事が乗り込み「国と地域振興策を交渉するなら今だ」と説得にきました。井原勝介・岩国市長は改めて「撤回できるようギリギリまで頑張る」と答えました。

 岩国市の隣、由宇町が意見交換会を主催。山口県と岩国市など十一市町村が参加しました。岩国市以外の自治体関係者から、地域振興策を条件に移転問題を国と交渉すべきだとする意見が相次ぎました。

 副知事は「井原勝介・岩国市長をつるし上げるつもりはないが本音のトークだ」と切り出し、「岩国市長が市民の意思をうけて反対と頑張るならそれでもよいが、結局押し切られて再編が実施されたら踏んだりけったりだ。地域振興策を条件に交渉するならいまだ」と説得しました。

 「副知事の言うことはよく分かる」と相づちを打つ人が多く赤字必至で米軍住宅への転用が疑われている愛宕山(あたごやま)開発などをあげて「国の援助が得られなくなる」(美和町)などの意見が相次ぎました。

 井原・岩国市長は「住民の安心・安全が市の将来の発展につながる。だから民意を問うてギリギリまで頑張るのだ」と語りました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp