2006年2月16日(木)「しんぶん赤旗」
風刺画問題
“尊敬もとに対話”訴え
エジプト訪問のEU上級代表
【カイロ=小泉大介】中東歴訪中の欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は十四日、エジプトの首都カイロで、同国のムバラク大統領らと会談しました。ソラナ氏の中東訪問は、欧州各紙が掲載したイスラム教預言者ムハンマドの風刺画へのイスラム世界の強い抗議を受けてのもので、十三日にはサウジアラビアでイスラム諸国会議機構(OIC)代表らとも事態収拾に向け協議しました。
ソラナ氏はムバラク大統領との会談後の会見で、訪問の理由について「欧州とイスラム世界の架け橋を再建するという強い希望」を挙げ、「(イスラム諸国と)非常に深い関係を築いてきたわれわれが望むのは、この関係を維持するだけでなく、さらに深めることだ」「最近の出来事が両者を引き離すことを許してはならない」と強調しました。
同氏はさらに、「われわれの社会は対話の価値によって結合されなければならない。その価値とは、尊敬、愛情、協力によって導かれるものである」とし、この立場から、事態改善の提案を具体化しつつあると明らかにしました。十三日にはサウジで、「イスラム世界の人々は、風刺画問題を彼らに対する新たな(米同時多発テロが起きた)九月十一日と感じ始めている」と述べ、イスラム教徒が受けた苦痛と怒りへの理解を示しました。
ソラナ氏の中東歴訪は四日間の日程で、さらにヨルダン、パレスチナ自治区、イスラエルを訪問する予定です。

