2006年2月12日(日)「しんぶん赤旗」

都市の土壌汚染対策

現行制度では限界

科学者会議・環境学会がシンポ


 日本科学者会議と日本環境学会が共催で「頻発する都市の土壌汚染 対策の現状と課題」と題したシンポジウムを十一日、東京都内で開きました。大阪や東京で起きた土壌汚染事件の経過を議論するなかで、科学者や汚染地域住民ら約四十人の参加者から、現行の法制度の限界を指摘する声があがりました。

 大阪市立大学の畑明郎(はた・あきお)教授(環境政策論)は、大阪市北区の工場跡地を再開発した「大阪アメニティーパーク」で環境基準をこえるセレン、ヒ素などが検出された土壌汚染事件について報告しました。この事件で、汚染を隠してマンションを販売した三菱地所が宅建業法違反に問われたことを画期的と評価する一方、調査・対策が不十分なことや地下水汚染が周辺に広がっていることなどを問題提起しました。

 一橋大学の大学院生、佐藤克春さん(環境経済学)は、汚染調査が必要な地域が八十八万カ所と推定されるのにたいして、土壌汚染対策法の指定区域は五十四件しかないなど、法律の調査義務の狭さを指摘しました。

 昨年から問題になっている東京都北区豊島五丁目団地のダイオキシン汚染地域の住民からは「膨大な汚染土をどうやって処理するのか。地表を土砂で覆うだけの対策では水道管やガス管に影響がでないか」と、心配する声が出されました。

▼土壌汚染対策法 重金属や揮発性有機化合物などの有害物質を扱っていた工場が廃業したり、宅地に用途を変更する場合の土壌調査や、汚染土壌除去などの対策を、土地所有者に義務づけています。二〇〇二年成立、〇三年施行。それまで有効な法制度がなかった土壌汚染規制の第一歩となりました。しかし、操業中の工場敷地や、工場敷地を別の工場に売却した場合には調査が義務づけられていません。


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