2006年2月11日(土)「しんぶん赤旗」
絶滅したニホンオオカミが見られる
![]() (写真)「絶滅したニホンオオカミ展」で展示されている和歌山大学のオスのはく製=東京・台東区の上野動物園 |
■東京・上野動物園
「上野の山にオオカミがやってきた」――上野動物園西園でいま、「絶滅したニホンオオカミ展」(二十六日まで)が開かれています。
上野動物園が和歌山大学と東京大学の厚意で、ニホンオオカミのはく製二点をそろえ、展示しているものです。
一点は、和歌山大学の成長したオスで、一九〇四年ごろ、和歌山と奈良、三重の県境に近い大台山系で捕獲されたもの。和歌山県立自然博物館に保管されていました。
もう一点は、一八八一年に東京大学が岩手県の業者から購入したメスで、東大農学部の標本室に保管されていました。
日本には、ニホンオオカミのはく製は、この二点のほか、国立科学博物館の「大地を駆ける生命」エリアにある福島県岩代産のオスしか存在しません。
上野動物園では、一八八八年(明治二十一年)七月、岩手県で捕獲された二頭のオオカミの子を飼育していました。一頭はすぐ死亡、もう一頭は一八九二年六月まで生存しました。しかし、それから十三年後に、ニホンオオカミの生存記録が絶えるとは思っていなかったようで、写真も残っていません。


