2006年2月7日(火)「しんぶん赤旗」

3年ぶり正常化交渉

日朝協議 「一括妥結」で応酬


 【北京=菊池敏也】北京市内のホテルで開催している日本と北朝鮮の政府間協議は六日、国交正常化交渉を行いました。日本側は、拉致問題と核・ミサイル問題を包括的に解決し、国交正常化を実現したあとで経済協力を行うとする「一括妥結」方式を提案。一方の北朝鮮側は日本側提案を受け入れられないとの立場を示しました。

 国交正常化交渉は拉致、安全保障とともに三つの分野での並行協議の一環。本格的な国交正常化交渉は二〇〇二年十月にマレーシアで協議が行われて以来です。日本側が原口幸市日朝国交正常化交渉担当大使、北朝鮮側は宋日昊大使が担当しました。

 原口大使は交渉の冒頭、〇二年九月に訪朝した小泉首相と金正日総書記が発表した「日朝平壌宣言」に基づいて交渉すると表明しました。

 協議終了後、原口大使は記者団に対し、「一括妥結」方式について「必ずしも完全な合意には至らなかったが、この問題は重要なので今後ともさらに共通認識を得るように努力したい」と述べました。

 宋大使は、日本側が植民地支配に遺憾の意を表明したことを明らかにした上で、「日本側は経済協力方式だけで解決しようとしているが、われわれはその方法だけでは難しい。いろいろ異議が提起される可能性がある」とし、「一括妥結」方式に難色を示しました。

 同氏は「過去の清算の問題を乗り越えずに、前に進むことはできない」と強調しました。

 協議に先立ち、原口大使は記者団に対し、「過去の清算の問題は先方(北朝鮮)が強く期待することだが、それは国交正常化の枠内でしか実現できず、国交正常化そのものは拉致問題の解決がなければ難しいと十分に(北朝鮮に)伝える」と語りました。

 北朝鮮の宋大使は「経済協力や在日朝鮮人の地位問題、文化財返還などについても議論する」と述べました。


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