2006年2月4日(土)「しんぶん赤旗」
“平和の宗教を冒涜”
中東で抗議の声
【カイロ=小泉大介】欧州各紙がイスラム教の預言者ムハンマドの戯画を掲載したことをめぐり、中東で抗議の声が高まっています。
イスラム教における神は超越的な唯一絶対の存在。多神教的偶像崇拝を厳しく戒めており、預言者の肖像画もタブーとなっています。しかもデンマーク紙の漫画はターバンを爆弾に模しており、「本来、平和の宗教であるイスラム教への冒涜(ぼうとく)であり絶対に許せない」(カイロ大学生)との強い怒りを呼んでいます。
二日にはパレスチナ自治区ガザの欧州連合(EU)事務所を武装勢力が取り囲み、「ガザに滞在するデンマーク、ノルウェー、フランス人は危険に直面することになる」と表明。この後、同地の外国人報道関係者、外交官、援助関係者らが脱出を開始しました。
パレスチナ自治政府のクレイ首相は武装勢力に外国人への攻撃をやめるよう訴える一方で、戯画を「世界中のイスラム教徒を挑発するものだ」と非難しました。
各国指導者も、「十億を超えるイスラム教徒への侮辱」(カルザイ・アフガニスタン大統領)「イスラム教徒の感情を傷つけ冒涜するもの」(アブドラ・ヨルダン国王)「イスラム教徒はこのような卑劣な行為に断固対抗しなければならない」(アハマディネジャド・イラン大統領)などと反発。エジプトのムバラク大統領は「過激主義とテロに口実を与えるもの」と警告しました。
事態を重視した国連のアナン事務総長は二日、「報道の自由はつねに、宗教的心情と教義を尊重するやり方で行使されなければならない」と表明。異文化間の相互理解のための平和的対話の重要性を強調しました。

