2006年1月26日(木)「しんぶん赤旗」

米国産牛肉輸入再開やイラク派兵の責任追及

参院本会議 04年度決算 紙議員の質問


 日本共産党の紙智子議員が二十五日の参院本会議で二〇〇四年度決算に対し行った質問(大要)は次の通りです。

 国の予算が本当に国民のために使われているのか、税金の無駄遣いがないかをチェックすることは、国会の重要な仕事です。米国産牛肉に危険部位が混入していた問題は、二〇〇四年以来の「食の安全」に対する小泉内閣の責任が問われる問題です。〇三年に米国でBSEが発生し、圧倒的多数の国民が米国産にも全頭検査を求めました。

 ところが政府は〇四年十月、食品安全委員会にわが国で行っている全頭検査体制の見直しを諮問し、直後に日米合意で米国産牛肉の輸入再開の道筋を決めたのです。その後も食品安全委員会の審議に圧力をかけ輸入再開を急がせたというのがこの間の経過です。

 首相は「科学的な知見をふまえ輸入を再開した」といいますが、「はじめに輸入再開ありき」であったことは明らかです。国民の「食の安全」より米国からの早期輸入再開の要求を優先した首相の政治責任をどう認識していますか。

 米国では三十カ月齢以下の牛は危険部位の除去を義務付けられていません。しかも米農務省自身が昨年八月、米国内で特定危険部位の除去に関する違反が一年半で千三十六件もあったことを明らかにしています。

 食品安全委員会プリオン専門調査会も、米国のBSE汚染は悲観的に見れば日本の十倍も高く、危険部位の除去は、食の安全に直結するとしています。

 危険部位を除去しなければならないという日本への輸出条件の根幹が守られておらず、米国産牛肉の安全性確認を一からやり直すべきです。見直しの諮問そのものが誤りであったといわざるを得ません。食品安全委員会による「リスク評価」をはじめからやり直すべきではありませんか。

 政府は全頭検査、全月齢の危険部位の除去といった日本国内と同様の安全基準を米国に要求すべきです。それが確実に保障されるまで米国産牛肉の輸入再開は行わないと国民にはっきりと約束すべきではありませんか。

 次に、二〇〇四年度だけで二百七十七億円にのぼる自衛隊のイラク派兵経費の問題です。イラクでは、米軍が無法な侵略戦争と軍事占領に続いて、今なお米国の支配に抵抗する人々への武力弾圧を繰り返していることが事態を深刻化させています。イラク派兵各国はあいついで撤退、削減の方向を進めています。英豪軍も五月にサマワから撤退と伝えられています。

 にもかかわらず小泉内閣は昨年十二月、撤退のメドも方針も示さないまま自衛隊のイラク派兵再延長を決定しました。その際、航空自衛隊がイラク国内の二十四カ所のすべての空港で米軍支援活動ができるよう政府が実施要項を変更していたことが明るみに出ています。

 政府は米国からいかなる新たな要請を受けているのですか。米国に言われればいつまでも派兵をし続けるのか。日本の主体的な判断などどこにもないではありませんか。

 イラク国民が自らの国の再生へ努力を始めているいま、日本が自衛隊を撤退することこそイラクの人々の願いにこたえる道であり、自立を助ける道です。撤退を求めて質問を終わります。


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