2006年1月25日(水)「しんぶん赤旗」

受信料制度を維持

4月から法的督促も NHKが3カ年計画


 NHKは二十四日、二○○六年度から三年間の経営計画を発表しました。「NHKの新生とデジタル時代の公共性の追求」と題し、四つの基本方針(1)受信料収入の回復をはかる(2)信頼される公共放送のための経営改革を進める(3)NHKだからできる放送に全力を注ぐ(4)デジタル時代にふさわしいNHKのあり方を追求―からなります。

 受信料制度の維持を強調する一方で、不払い対策では、裁判所を利用した支払い督促を○六年度から実施することを明言しました。経営改革では、最高意思決定機関である経営委員会によるコーポレートガバナンス(企業統治)の強化を打ち出し、執行部にたいする目標管理・業績評価を導入。外部人材からの役員起用も検討項目に盛り込んでいます。

 また、現在のテレビ五チャンネル(地上二波、BS三波)を維持し、スクランブル(料金を支払った人のみ見られる方式)の導入も「避けるべきだ」と言及しました。

 デジタル技術を活用した新しいサービスとして、携帯向けのサービス「ワンセグ」を今年度四月から二十九都府県で開始する予定。〇七年度からはサーバー(蓄積)型サービスも計画されており、これらについては受益者への経費負担を検討するとしています。


■解説

■政府の「改革」論議を意識

 受信料制度の維持を強調したNHK経営計画は昨年来、政府内で高まっているNHK改革論議を意識した内容でした。規制改革・民間開放推進会議が最終答申で「スクランブル方式」導入の検討をのべ、竹中総務相の私的懇談会も受信料制度のあり方を議題にあげるとしています。これにたいして、経営計画では公共放送の財源は受信料であるとし、スクランブル方式も否定しました。

 公共放送NHKにたいして、国民がもっとも求めてきたのは政治からの独立といえます。具体的的には昨年、明らかになった慰安婦番組への自民党幹部の圧力にたいして、それをどうはね返していくかです。経営計画の中では、「NHKの予算・事業計画の国会承認を得るにあたっても、会長以下全職員は、放送の自主自律の堅持が、信頼される公共放送の生命線である」と明記されました。三月に公表の番組制作の「ガイドライン」にも基本的な姿勢を盛り込むとしていることから、今後、注視する必要があります。

 経営計画の冒頭は「デジタル技術の急速な進歩・発展によって…情報を伝える手段やビジネスも多様化し、放送を取り巻く環境は、急激に変化しています」となっています。「サービス」という言葉が使われているのも気になります。これではデジタル化に向けて、放送をビジネス=商売の中で位置付けるとも受け取れ、放送の公共性とは相いれません。

 現に経営計画は、「NHKだからできる放送」といいながら、全職員の10%にあたる千二百人を削減すると、効率化をねらいます。外部プロダクションなどと、番組内容を競い合うことも掲げます。人減らしと競争の導入で、国民が願う真の改革にこたえられるのか疑問です。(板倉三枝)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp