2006年1月23日(月)「しんぶん赤旗」

安全・安心まで規制緩和

NHK番組 穀田国対委員長が批判


 日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は二十二日、NHK「日曜討論」に出演し、各党の国対委員長と討論しました。


 ライブドア事件について、自民党の細田博之国対委員長は「小泉『改革』の中で出てきたひずみとは感じていない」と発言しました。

 これにたいし穀田氏は、安倍晋三官房長官の「堀江さんが成功したのは小泉内閣による構造改革の成果、規制緩和の成果」との発言を紹介。「自民党が天まで持ち上げた。まさに小泉・竹中『改革』路線の寵児(ちょうじ)が堀江氏だ。堀江氏の手法である株式分割、株式交換はこの間の規制緩和の中で生み出されたものだ」とのべ、ライブドア事件の背景に小泉「改革」路線があることを強調しました。

 さらに穀田氏は、所得税・住民税は最低でも15%とられるのに、株式の配当、譲渡益にたいする税率が〇三年から10%に下げられていることを指摘し、「自民党は、マネーゲームの風潮をあおっただけではなくて、税制も優遇して、推し進めてきた。ライブドア問題は自民党の施策の結果だ」と指摘しました。

 小泉「構造改革」のもとでの「格差拡大」について、細田氏は「単純に格差が広がっているというよりは、今こそ構造改革をさらに進めて、新しい雇用をつくらなければいけない」と発言。穀田氏は「現状認識が間違っている」と反論。生活保護世帯が百万世帯を超え、貯蓄ゼロの世帯が急増していることをあげ、「労働法の規制緩和で人間らしい雇用が破壊され、社会保障が切り捨てられてきた『構造改革』の結果が、格差社会の大きな広がりになっている。さらに、定率減税の廃止、高齢者への新たな負担で、二・七兆円の負担をさせようとしている。これを是正することこそ求められている」と主張しました。

 米牛肉輸入禁止問題で、穀田氏は「食の安全を投げ捨てて、アメリカの要求に屈したというところに根本がある。日本の基準と同様に、全頭検査と危険部位の除去の二つをアメリカがしっかりやるまでは、輸入再開しないという強い態度で臨むべきだ」と主張。自民、公明両党は“日本の検査体制がしっかりしていて発見できた”などと問題をすりかえました。

 耐震強度偽装事件について、穀田氏は「問題の本質は何か。九八年の建築基準法の『改正』で、共産党は反対したが、規制緩和が行われて、建築確認を民間に開放した。安全まで規制緩和されてしまった。ここに根本がある。この規制緩和の事実をしっかり究明することで、解決の本来の道筋をたどることができる」と主張。この発言に公明党の東順治国対委員長は「一理ある。何でも民間に移すことが全能なんだという、流行現象になったらまずい」と同調しました。


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