2006年1月21日(土)「しんぶん赤旗」

過度の自由規制は違憲

国公法弾圧事件公判 憲法学者が証言


 休日に自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などを配布した社会保険庁職員の堀越明男さんが、国家公務員法(国公法)違反で不当に起訴されている国公法弾圧・堀越事件の第二十三回公判が二十日、東京地裁でありました。国公法と人事院規則の政治活動禁止規定の違憲性と、それを合憲とした猿払事件最高裁判決の問題点について、憲法学者と刑法学者が証言しました。

 立命館大学法科大学院の市川正人教授(憲法)は「『個人の尊厳』を掲げ、基本的人権を保障する憲法のもとでは、公務員の市民的自由はできる限り尊重されなければならず、政治活動の制限も必要最小限度でなければならない」と指摘。この裁判で国公法などの自由の制限の合憲性を審査するには「公務の中立的運営を確保するために必要最小限度の規制であるか」などの厳格な基準を用いるべきだとし、「(憲法の)自由を過度に規制する国公法・人事院規則は、法令自体が違憲と判断すべき」だとのべました。

 同教授はまた、猿払事件最高裁判決(一九七四年)の問題点をきびしく指摘。(1)表現の自由の制約について広範な立法裁量を認めており、合憲性の審査基準が非常に緩い(2)政治活動禁止で得られる利益と失われる利益の比較検討で表現の自由の不利益をことさら小さく描いている――などとのべました。

 京都大学の中山研一名誉教授(刑法)は、すべての犯罪の処罰は法益(法で保護される利益)の侵害があるかが検討される必要があり、法に書かれた政治活動が行われたからと直ちに罪が成立するというような「形式犯」の解釈は、刑法学界では通用せず、最高裁も採用していないことなどを証言しました。


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