2006年1月20日(金)「しんぶん赤旗」
墜落2日後 訓練再開
沖縄 米軍のF15戦闘機
米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が十七日に沖縄本島近海で墜落した事故で、同基地は十九日、同型機の飛行訓練を再開しました。沖縄県などは原因究明までの間、同型機の飛行を中止するよう求めていましたが、事故からわずか二日後の再開に反発を強めています。
嘉手納基地広報部によると、同型機は十九日午前九時四十分に通常の訓練を再開しました。十八日に発表した声明では、同基地所属の第一八航空団のジャンマーク・ジュアス司令官が「これまでの四十八時間ですべての機体を検査し、安全だと確信している」と述べて、飛行再開を明らかにしていました。
しかし、同基地のメンバーからなる安全調査委員会は十八日に原因究明を始めたばかり。声明では、経験豊かなパイロットなどが事故の概況を見て安全と判断したと述べており、判断の根拠は“経験”に基づくものでしかありません。
沖縄県は十八日、第一八航空団司令部に、事故の原因究明がなされるまでの飛行中止を要請。嘉手納町、北谷町、沖縄市も同日、F15戦闘機の撤去と飛行再開をしないよう要請していました。うるま市議会は墜落原因の究明まで嘉手納基地の閉鎖を訴える抗議決議を全会一致で可決していました。米軍はこれらの声を完全に踏みにじり、訓練を再開しました。