2006年1月19日(木)「しんぶん赤旗」

教職員は優遇されすぎか?(下)


 〈問い〉 先生の給与は他の公務員と比べても高く、優遇されすぎだという声をどう考えますか?(東京・一読者)

 〈答え〉 「教員の給与が高すぎる」というのは教職員削減とならんで教育費を抑制しようと、政府がもちだしている“ためにする議論”です。

 財務省は「教職員の給与は一般公務員より11%高い」とゆがめて描きました。「ゆがめて描き」というのは、基本給で比較していること(教員は何時間超過勤務をしても超過勤務手当が支給されないのにたいして、他の公務員は超過手当が支給されている。このため、基本給の比較ではフェアといえない)、学歴の違いによる差を考慮に入れていないこと(教員は(短)大卒、一般公務員は38%が高卒)などです。

 他の公務員との年収の差は実際には4%程度で、消防職員(21%)、警察官(16%)などと比べるとその優遇は小さなものです。

 子どもの人間形成をたすける専門家という教員の給与を相対的に高く設定しようという制度は、優秀な人間を教員に迎えようという、その国が教育を大事にしていることのメッセージです。実際、この点での日本の選択は、欧米にくらべて優秀な教員をあつめることにつながっていることが指摘されています。これをやめ、教員の給与を下げようというのは、子どもの教育を切り下げることにほかなりません。(喜)

 〔2006・1・19(木)〕


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