2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」

住民の命・財産を脅かす米軍再編の危険性示す

米軍機墜落


 多くの沖縄県民は「またか」という憤りを抱いたのではないでしょうか。〇四年八月の沖縄国際大学での米軍ヘリ墜落事故の衝撃も依然として強い中、米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機の墜落事故が発生しました。

 沖縄県のまとめによると、一九七二年の本土復帰後、嘉手納基地を離陸したF15戦闘機の墜落事故は六件。空中接触も二件発生し、死者も出ています。このほか、緊急着陸や部品落下、燃料漏れ、着陸失敗なども頻繁に発生し、沖縄での米軍機の事故総数は約四百件に達します。

 沖縄でこれだけの事故が発生するのは、狭い沖縄本島に三千七百メートルの滑走路を二本持つ嘉手納基地と、米海兵航空部隊の拠点・普天間基地など、広大な基地が集中するからです。沖縄の基地所属機に加え、他地域からも米軍機が頻繁に往来し、事故を起こすケースも少なくありません。

 日米両政府が進める在日米軍再編では、嘉手納基地を米軍・自衛隊の共同基地にし、普天間基地を米海兵隊キャンプ・シュワブに移転し、最新鋭の航空基地にする計画です。さらに、嘉手納基地所属のF15戦闘機の訓練を、〇八年にも本土五カ所の航空自衛隊基地に移転することを狙っています。

 これらが強行されれば、「基地あるがゆえ」の米軍事件・事故を今後も沖縄県民に押し付けるだけでなく、本土にも拡大することになります。今回の事故は、住民の生命・財産を脅かす在日米軍再編の危険性を改めて示すものでもあります。(竹下岳)


■嘉手納基地所属のF15戦闘機の主な事故

75・6 海上で2機が空中接触

77・4 空対空戦闘訓練中、粟国島沖海上に墜落

77・12 空中戦闘訓練中海上に墜落、1人死亡

81・6 通常訓練中、沖縄本島の北東220キロの海上に墜落

87・5 空対空訓練の途中、沖縄本島の東112キロに墜落

02・8 沖縄本島の南約100キロに墜落

04・10 沖縄本島の南約200キロでアラスカ・エレメンドルフ基地所属の2機が接触、機体が破損

05・10 沖縄本島の東海域で燃料漏れ

05・11 沖縄本島の北西約160キロで水平尾翼の前方部分を破損

06・1 沖縄本島の北東約100キロで墜落


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