2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」
沖縄近海 米軍機が墜落
嘉手納所属F15 漁業操業域近く
米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の第四四戦闘中隊に所属するF15戦闘機一機が十七日午前、沖縄本島近海で訓練中に墜落しました。嘉手納基地のF15の訓練は、その一部を新田原基地(宮崎県)など本土の五つの航空自衛隊基地に移転することが在日米軍再編で計画されており、沖縄はもちろん、移転先でも大きな問題になるのは必至です。
嘉手納基地によると、墜落位置は、北緯二六度二五分、東経一二八度四四分。墜落機は、本島東側の約百キロに位置する「ウイスキー173」と呼ぶ訓練空域で、ほかのF15三機と編隊を組み、空対空の訓練をしていました。「事故原因は調査中」としています。乗員一人は緊急脱出し、嘉手納基地に所属する第三一、三三救難中隊によって救助されました。墜落機以外の三機は同基地に帰還したといいます。
沖縄県漁業協同組合連合会によると、墜落現場付近はマグロ・カツオ漁などの操業域。「操業水域に墜落していたら大惨事になっていた」と憤りを示しています。
沖縄県内では、米軍のF15戦闘機の事故が相次いでいます。二〇〇二年八月、糸満市の喜屋武(きゃん)岬沖の太平洋上に墜落。〇四年十月に空中接触事故、同年十二月には補助翼落下事故が立て続けに起きています。
■名護 むねひろ市長候補が謝罪要求
米軍F15戦闘機の墜落事故を受け、名護市長選挙(二十二日投票)に立候補している我喜屋むねひろ候補=日本共産党、社大党、社民党、民主党など推薦=は十七日、街頭演説で事故の情報を市民にいち早く伝えるとともに、「衝撃的な事故で、すぐに原因の徹底究明と謝罪を強く米軍に求める」と表明。「繰り返される米軍による事故をなくしていくためには、沖縄県全体の米軍基地の整理・縮小が必要」として、市長選でもキャンプ・シュワブ沿岸域の新基地建設に対し反対する姿勢を貫くと訴えました。