2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」

安倍官房長官秘書に相談

耐震偽装喚問 小嶋社長が証言

証言拒否連発


 耐震強度偽装問題をめぐって衆院国土交通委員会は十七日、マンション販売会社「ヒューザー」の小嶋進社長の証人喚問をおこないました。小嶋社長は偽装の認識時期や経緯について「訴追の恐れ」を理由に繰り返し証言を拒否しましたが、自民党森派の安倍晋三官房長官の秘書に相談していたことや、同派の伊藤公介元国土庁長官を支援する研究会をつくっていたことを証言。小嶋社長と総裁派閥を結ぶ深い関係が浮かび上がりました。


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(写真)資料をしめして、小嶋進証人(右奥)を喚問する穀田恵二議員=17日、衆院国土交通委員会

■伊藤元長官支援し研究会も

■穀田議員の尋問に認める

 安倍官房長官と小嶋社長との関係が浮上したのは、昨年十一月二十日。ヒューザーのマンション「グランドステージ川崎大師」の住民への説明会の席上のことでした。

 民主党の馬淵澄夫議員によると、この場で小嶋社長は「私は(安倍氏を支援する)安晋会に入っており、その会長から(政策秘書の)飯塚氏を紹介してもらい、将来の(国交省の)事務次官になる人に連絡してもらっている」「その人に電話してもらったから、安倍長官が閣議後に『遺漏なきよう対応させる』と発言したのもそのため」と発言したといいます。「発言のテープもある」との追及に小嶋社長は「申し上げました」と証言。さらに飯塚秘書とは「時期は定かでないが、議員会館で相談した」ことを明らかにしました。

 焦点の一つとなった伊藤元長官との関係では、多額の献金やパーティー券を購入していたことは「事実」としたものの「力になりたいという純粋な気持ちから」と特別な意図を否定。しかし、日本共産党の穀田恵二議員が、小嶋社長が伊藤元長官を囲む特別な勉強会をつくっていたことを指摘すると小嶋社長は「住宅政策研究会」であると、その名称を明らかにしました。

 穀田氏は、勉強会の席上、メンバーが各社から集めた三百万円弱を伊藤元長官に渡したと指摘。伊藤元長官が住宅・土地行政に影響力を高めるなかで、元長官への献金や森派(清和政策研究会)のパーティー券購入額が増えていることに触れ、「献金の目的は国から公的資金を出させるためではないか。そのための保険だったのではないか」と追及しました。

 小嶋社長は、公明党の山口那津男参院議員の秘書が同党区議の依頼を受け、「小嶋さんに会ってほしい」と国交省幹部に電話したことについて、この区議が東京・大田区の有川靖夫議員であることを明らかにしました。

 また、小嶋社長は相談したことがある政治家として自民党の伊藤信太郎衆院議員、阿南一成元参院議員と、石原慎太郎東京都知事の名前をあげました。


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