2006年1月14日(土)「しんぶん赤旗」

党大会に出席の外国政党代表と懇談


■不破議長

■中国、カンボジア、チュニジア、ドイツ、ネパール代表と

 日本共産党の不破議長は十一、十二日の両日、第二十四回大会の会場で、中国共産党、カンボジアのフンシンペック党、チュニジア立憲民主連合、ドイツの左翼党、ネパール共産党(統一マルクス・レーニン主義)の代表とそれぞれ懇談しました。

■中国共産党

 中国共産党の譚家林中連部部長補佐との懇談では、譚氏が、両党関係の発展を喜びつつ、昨年末に行われた理論交流について、「両党交流の発展と協力の深まりにおける、まさに新しい成果の一つです」と語りました。

 譚氏は、中国の社会主義の事業は、「実践でも理論上でもこれまでにない問題に直面し、絶えず模索し解決に努力しています」と述べ、これからも中国の事業に対する「国際的な支持、日本共産党からの貴重な意見をいただきたい」と語りました。

 不破議長は、両党関係の発展について「同感だ」と述べ、理論交流について、「代表団をお迎えして、若い世代の人が育ち、(研究が)発展していることをうれしく思いました」と切り出しました。

 また、この交流の背景について「中国が自国の発展の道の探求のために、世界に知恵を求めるという態度をとっていることに感銘した。これは、大国主義的な立場をいささかでも持っていれば、決してとれないものだ」とのべました。

■カンボジアフンシンペック党

 カンボジアのフンシンペック党リ・トゥィック副書記長との懇談では、トゥィック氏が、日本共産党の八十年史を読んだと述べ、「日本共産党は日本と世界平和に大きな貢献をしているし、私たちも戦争を経験してきて、平和のために、また国民のために活動しています。その点で私たちとの共通点が多いと思った」との感想を紹介。

 不破議長は、〇四年に北京で開かれたアジア政党会議で、ラナリット議長と充実した会談ができたことを喜ぶとともに、「戦争反対、国民のために働くということは、政治の原理です。活動している国は違いますが、同じ目的で活動していることがわかります」と語りました。

■チュニジア立憲民主連合

 チュニジア立憲民主連合のファウジ・アウアム副書記長との懇談では、アウアム氏がベンアリ大統領から日本共産党へのあいさつを伝え、「平和、自由、連帯」が「両党に共通していることを確認したい」と述べました。さらに、今後、チュニジアでの国際シンポジウムなどに、日本共産党からも参加してもらい、交流を広げていきたいと提案しました。

 不破議長は、党大会の第一日の様子はCS通信で伝えられ、全国の党員から海外代表の姿に励まされたとの感想が寄せられていることを紹介。チュニジア訪問時の思い出にも触れながら、大統領はじめ党指導部へのあいさつを託しました。

■ドイツ左翼党

 ドイツの左翼党のハラルド・ヴェルナー幹部会委員との懇談では、ヴェルナー氏が、大会は「大変興味深い。情報が多く、たくさんの経験を学んで国に帰ることができる」と感想を述べました。

 ヴェルナー氏は、ドイツの左翼勢力が共同し選挙で躍進した経験は、「欧州の左翼にもよい影響を与えると思います」と指摘。同党が大切にしていることとして、▽新しい資本主義に直面するなか左翼勢力の間での共同の探求、▽マルクスの古典文献を新たに読み直す、の二点を紹介しました。

 不破議長は、左翼党の躍進に祝意を表明。ヴェルナー氏の質問にこたえ、〇四年に開かれた北京でのアジア政党国際会議の特徴に触れながら、アジアの政党状況を紹介しました。

■ネパール共産党

 ネパール共産党(統一マルクス・レーニン主義)のジャラナート・カナル常任委員会委員との懇談では、カナル氏が「初めて参加した党大会で日本共産党の分析、情勢報告に直接触れることができ、非常にうれしく思います」と感想を語りました。

 カナル氏は、昨年二月の国王クーデター以来の同国の情勢を紹介しました。それにたいして不破議長は、「国王のクーデターという新しい情勢のもとで、民主主義を否定する武装闘争の勢力、“毛沢東派”との関係について懸念がある」とのべ、日本共産党の基本的考え方を率直に表明しました。

■志位委員長

■ベトナム、インド、チェコ、ハンガリー、ブラジル、スリランカ代表と

 日本共産党の志位和夫委員長は十一、十二の両日、大会会場でベトナム共産党、インド共産党(マルクス主義)、チェコ・モラビア共産党、ハンガリー労働者党、ブラジル社会主義人民党、スリランカ共産党の代表とそれぞれ懇談しました。

■ベトナム共産党

 ベトナム共産党のグエン・コア・ディエム政治局員・書記・思想文化委員長らとの懇談では、ディエム氏が大会決議案の世界情勢分析は、今年四月に予定されているベトナムの第十回党大会の準備に役立つものだと指摘。市場経済を推進しながら社会主義への方向づけをおこなっているベトナムでの、政権党であることから生じる否定的な影響を克服し、若い世代の教育に努めている活動について紹介しました。

 志位氏は、「社会主義をめざすベトナム、中国、キューバの三カ国がどのような発展をとげるのかは、人類の未来にとっても重要だ」と指摘し、来たる四月の党大会の成功を期待するとのべました。

■インド共産党(マルクス主義)

 インド共産党(マルクス主義)=CPIM=のT・K・ランガラジャン中央委員、タミルナド州委員会書記との懇談では、ランガラジャン氏が「発達した資本主義である日本が直面するたたかいでの日本共産党の政策や将来戦略がよくわかった」と発言。国民の立場で国民会議派中心の現政権に閣外協力している同党の活動を紹介しました。

 志位氏は、「三年前にインドを訪問したさい、人民の利益のために命がけで草の根で活動しているCPIMが人民から強い支持を獲得していることを知り感銘を受けた」と発言。同党が与党のなかで新しい重要な役割を果たしていることに注目しているとのべました。

■チェコ・モラビア共産党

 チェコ・モラビア共産党のズデネク・レヴィ中央統制委員会議長らとの懇談では、レヴィ氏が、総選挙が今年行われることを紹介、反共攻撃とたたかい得票率25%を目標にかつてない躍進を目指していると説明しました。

 志位氏は、同党がソ連との関係で、過去の誤りを勇敢に克服し、強力な基盤を確立していることを指摘。攻撃を打ち破っての躍進を願っていると期待をのべました。

■ハンガリー労働者党

 ハンガリー労働者党のマリナ・ピラエヴァ中央委員との懇談では、志位氏が、二〇〇四年三月に来日したトゥルメル議長との会談で、国際情勢の見方や連帯の問題で一致し、両党間の関係が発展したことを喜んでいるとのべました。ピラエヴァ氏は、「歴史的な状況は異なるが、両党は大多数の国民の生活向上のために活動していることでは一致している」と応じました。

■ブラジル社会主義人民党

 ブラジル社会主義人民党のジナ・リダ・キノシタ国際担当書記との懇談では、志位氏がラテンアメリカでの社会変革に注目しているとのべ、今後も両党の交流と相互理解を深め、一致する問題で共通のたたかいを進めていきたいと表明しました。

 キノシタ氏は、ブラジルの国内情勢と同党の立場について説明したうえで、「両国は遠く離れているが、共通のたたかいが発展することを願う」と話しました。

■スリランカ共産党

 スリランカ共産党のバタポラ・ナンダ政治局員との懇談では、志位氏が二〇〇二年十二月にスリランカ共産党の党大会に参加し、あいさつしたことに触れ、内戦解決のための同党の貢献に言及しました。ナンダ氏は同党は当初から政治的な解決以外にないと主張してきたとのべ、「戦争では何の解決にもならない。和平プロセスをつくりあげるために努力している」と語りました。

 志位氏は、国連憲章に基づく世界の平和秩序を築くうえで、非同盟運動で大きな役割を果たしているスリランカの重要性を指摘。「内戦を解決して、世界の平和のために力を発揮してほしい」との願いを表明しました。

■市田書記局長

■インド、ブラジル、フランス、ギリシャ、イタリア、キューバ、ラオス、ドイツ代表と

 日本共産党の市田忠義書記局長は十二、十三の両日、インド共産党、ブラジル共産党、フランス共産党、ギリシャ共産党、イタリア共産主義再建党、キューバ共産党、ラオス人民革命党、ドイツ共産党の代表と懇談しました。

■インド共産党

 インド共産党のスダーカル・レディ全国評議会書記との懇談では、レディ氏が、中央委員会報告をきいて、「日本の現状について(の分析が)とても参考になった。科学的で現実的だ」と評価。また、「日本共産党が唯一、日本の軍国主義に反対している党だと知っている。

 市田氏は、インド共産党が左翼戦線の一翼として、政権与党に閣外協力し、政権に大きな影響を及ぼす政党として努力している点についてたずね、統治の問題で話がはずみました。

■ブラジル共産党

 ブラジル共産党のフランシスコ・ジョゼ・カルネイロ・デフレイタス国際委員会協力者との懇談では、日本在住六年のデフレイタス氏が、市田氏の街頭演説をじかに聞いた経験も披露して、なごやかな対話となりました。

 デフレイタス氏は、「この党大会は日本人にとってだけでなく、国際政治や平和な世界、公正で豊かな世界にするための活動にとって大切なものだ」と指摘しました。

■フランス共産党

 フランス共産党のパトリス・ボワール全国執行委員との懇談では、ボワール氏が、フランス共産党と日本共産党の共通点は党名を変えずに活動していること、一方、異なる点は、日本共産党の大会の時間厳守と規律正しさだとユーモアを交えて指摘しながら、大会の印象を語りました。

 市田氏は、昨年の原水爆禁止世界大会に、多くのフランス代表が参加し、とくに若い人が多かったと指摘。ボワール氏は党として、原水爆禁止運動を重視し、若い活動家を育てるように心がけていると述べました。

■ギリシャ共産党

 ギリシャ共産党のパブロス・アレピス党機関紙編集委員との懇談では、アレピス氏が「平和のためのたたかいや、資本主義の野蛮な改革にたいするたたかいなど、みなさんがたたかっている目標は、私たちと同じだ」「原則性とよく組織された大会のあり方に感銘を受けた」と感想を述べました。

 市田氏は、日本人は一般に喜怒哀楽をあらわさないといわれるが、大会は涙あり、笑いありだと述べると、「日本人一般とは違った印象だ。何かを変えたいという人々の情熱の発露でしょう」と応じました。

■イタリア共産主義再建党

 イタリア共産主義再建党のサルバトーレ・ボナドンナ執行委員会委員との懇談では、遅れて到着し、休む時間もなく会場にかけつけたボナドンナ氏を市田氏は心から歓迎しました。ボナドンナ氏は、「日本共産党の路線を理解し、追っていくことに非常に関心をもっており、今回の参加を最大限活用したい」とのべました。さらに、欧州憲法をめぐる情勢、イタリアや欧州左翼党の動向などについても語りました。

■キューバ共産党

 キューバ共産党のイルダ・バサヨ国際部アジアコーディネーターとの懇談では、ラテンアメリカの新しい流れと、その中でのキューバの役割についてきいた市田氏に、バサヨ氏は「われわれは、武器を送るのではく、医者など人間的な資源を送っています」と医療面での国際援助や、ボリビアの青年を迎えて医療を学んでもらうプログラムもすすんでいると紹介。

 学生時代に野球部にいた市田氏は、キューバが優秀なスポーツ選手を生んでいることの秘けつを質問。バサヨ氏は「人間が本来もっている能力を発掘するのが、キューバ革命です」と、教育やスポーツ、芸術に力を入れている政治と社会を説明しました。

■ラオス人民革命党

 ラオス人民革命党との懇談では、スックタボン・ケオラ代表(駐日大使)が、二〇〇三年に日本共産党代表団がラオスを訪問したことが両党関係にはずみをつけてきたと指摘。市田書記局長は、京都府委員長時代の知り合いの現京都府議団長が農学博士で三十数年前にラオスに農業の調査に出向いたことを紹介しながら、「ラオスの名を聞くとそのことを思い出す」と語りました。

 両氏は平和問題で意見交換し、今後の両党間の交流や関係発展について述べるとともに、スックタボン・ケオラ代表は、重要な分析と方針を出していると大会の印象を語りました。

■ドイツ共産党

 ドイツ共産党のデトレフ・フリッケ幹部会委員との懇談では、フリッケ氏が、大会の印象として、規律の正しさと代議員の集中度に感銘を受けたとのべ、党勢拡大の意義などについて熱心に質問。市田氏は、日本のジャーナリズムの状況なども紹介しながら、機関紙活動の重要性を強調。憲法改悪反対の一致点での広範な人々との共同を発展させる課題など、党のとりくみを紹介しました。


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