2006年1月14日(土)「しんぶん赤旗」

輸入牛肉 水際の査察体制は?


 〈問い〉 米国産牛肉の輸入が再開されましたが、不安です。日本側の水際のチェックはどうなっているのですか?(岩手・一読者)

 〈答え〉 輸入牛肉の水際のBSE査察を行うのは、農林水産省の動物検疫所(家畜防疫官319人)と厚生労働省の検疫所(食品衛生監視員300人)がその任に当たっています。根拠法は、家畜伝染病予防法と食品衛生法です。

 しかし、実際どのような査察をしているかといえば、輸入された牛肉の伝票と現物との確認と目視で当該牛肉にSRM(危険部位)が付着しているかどうかを確認するだけです。もちろん目視で確認できないほどの微量のSRMが付着していた場合は、まったくノーチェックになります。

 米国産牛肉は、20カ月以下の牛の肉ということになっており、判別の仕方として、枝肉の肉質判定で年齢を推定することになっています。ところが、輸入時は、枝肉でなく、枝肉から部位ごとに肉を切り落とした部分肉として輸入されるため、水際の検査では、その部分肉が、20カ月以下の肉かどうかを判別することはできません。

 ですから、仮に20カ月以上の牛の部分肉が混入したとしても日本の水際の検査ではまったくチェックできません。

 このように、水際の日本のBSE査察では、ほとんど何もできないということが実態です。

 問題は、米国が、米国産牛肉輸出証明プログラム(全頭からの危険部位の除去、20カ月以下の牛)を守るかどうかを日本政府が厳しく査察しなければならないという点にあります。食品安全委員会も「管理機関が(輸出プログラム)の遵守(じゅんしゅ)を保証する必要がある」とし、「管理措置の遵守が十分でない場合……一旦(いったん)輸入を停止することも必要」としていました。しかし、この米国に対する査察人員は、厚労省で2人、農林水産省では兼任で23人、予算も数千万円の規模でしかありません。この人員と予算で、米国における輸出証明プログラムが毎日厳格に実施されているかどうか査察することはできません。(小)

 〔2006・1・14(土)〕


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