2006年1月11日(水)「しんぶん赤旗」

ドラマ「金八先生」の舞台

「桜中学」保存へ一歩

東京・足立区　民間に貸し出しへ

（写真）貸し出しが決まった金八先生のロケ地、旧第二中学校＝東京都足立区

　人気テレビドラマ「３年Ｂ組金八先生」の舞台「桜中学校」として撮影に使われ、昨年春に閉校となった東京都足立区の中学校が、民間の学校法人などを対象に貸し出されることになりました。校舎が今のまま残るかどうかはまだ分かりませんが、全国の「金八」ファンに親しまれてきただけに、地元では「記念館を併設し、町のシンボルにしたい」との声が上がっています。

　この学校は足立区千住曙町の区立第二中学校。武田鉄矢さん主演で一九七九年に始まり、その後シリーズ化された「金八先生」で、外観や校庭が撮影に使われました。近くの荒川土手もロケ地になり、番組に欠かせない風景としてファンに愛されています。

　しかし、少子化の影響で旧二中は昨年四月、近隣の中学と統合され、生徒は新たにできた千寿桜堤中学校に移りました。区は跡地の売却も考えましたが、区内に大学や短大などの高等教育機関がないことから、学校法人などに文教施設として五十年間貸し出すことにしました。公募は今月十六日から始まりますが、専門学校など学校法人が五つほど関心を示しているといいます。

　旧二中最後のＰＴＡ会長だった羽毛田順さん（５２）は「金八記念館推進委員会」を結成し、脚本や衣装などを展示する記念館や、周辺のロケ地をまとめた「金八マップ」の実現に向け活動してきました。閉校直前には、旧二中の体育館で武田さんのバンド｢海援隊｣のコンサートも開きました｡

　公募予定の学校法人の中には、記念館の併設に前向きなところがあるといいます。羽毛田さんは「やっとスタートラインに立った。学校法人と協力し、区に採用されるような企画を準備したい」と話します。同委員会はホームページで記念館のアイデアを募集しています。