2006年1月11日(水)「しんぶん赤旗」

犠牲防げ

共産党、政府に要請

現地視察ふまえ「人命が第一」


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(写真)豪雪災害対策で武田内閣官房審議官(中央)に申し入れる日本共産党国会議員団=10日

 豪雪災害による犠牲が相次ぎ、集落が孤立するなど深刻な被害が広がるもとで、日本共産党国会議員団は十日、政府に対し豪雪災害に関する緊急申し入れを行いました。

 申し入れは、これ以上の犠牲を防ぎ、被害の拡大を最小限におさえるための対策を求めたものです。高橋千鶴子(党議員団豪雪対策本部事務局長)、佐々木憲昭両衆院議員、井上哲士、紙智子、仁比聡平各参院議員が申し入れを行い、武田文男内閣官房審議官(防災担当)が応対しました。

 緊急の対策として(1)民家・生活道路の除排雪に力を集中し、犠牲の拡大を防ぎ集落の機能を確保すること(2)なだれ危険個所の総点検と監視体制を強めるなど、なだれ事故防止と二次災害防止に万全を期すこと(3)除排雪など財政負担が急増している地方自治体に対し、特別交付税による措置とともに、県道や市町村道除雪費に対する補助金交付を早期に実施すること―を求めました。

 現地を視察した各議員は「現地では“災害対策に勇み足はない”と人命第一でとりくんでいる。政府もそれにこたえる対策を」「秋田では三分の一のバスが止まり、野菜も入ってこないなど生活に大変な支障が生じている」「これからが冬本番で現地の人たちは精神的にもまいっている。国が全面的に支援するとのメッセージを届ければ大いに励まされる」と訴えました。

 武田審議官は「申し入れ内容には重要なポイントが含まれているので地元と連絡を密にして、各省とも連携し政府としてしっかりとりくんでいきたい」とこたえました。


■日本共産党国会議員団の豪雪災害に関する緊急申し入れ

 日本共産党国会議員団が十日、沓掛哲男防災担当相に申し入れた豪雪災害対策は次の通りです。

 十二月の積雪深は過去最高を記録、しかも連続した降雪で、地域住民は除排雪にあけくれ、地域社会の維持にも支障をきたしかねない事態となっている。例年の積雪のピークより一カ月以上も早く、これから厳冬期をむかえる豪雪地帯では、いままで経験したことのない豪雪さえ危ぐされている。

 すでに七十名を超える方々が、屋根雪の重さによる家屋倒壊や雪下ろし作業による事故等で犠牲となっているほか、道路・歩道除雪の遅れによる生活物資等や通学路の安全確保などに困難が生じるとともに、雪崩も多発しており集落が孤立するという事態にもなっている。

 これ以上の犠牲を防ぎ、被害の拡大を最小限に抑えることが緊急に求められており、以下の事項について、ただちに実施するよう申し入れる。

 一、民家・生活道路の除排雪に力を集中し、犠牲の拡大を防ぎ集落の機能を確保すること。

 (1)災害救助法を積極的に活用すること。そのために、自治体に対し適用を促すとともに、「豪雪はそれ自体災害」(一九八一年二月二十三日参院災害対策特別委員会での原健三郎国土庁長官・当時)との立場から、「災害にかかった者の救出」などの措置をとること。また、要援護世帯に限らず、一人暮らしの女性など、自力での除排雪作業が困難な住民にも支援を拡大すること。

 (2)中越地震被災者が暮らす仮設住宅では、空き家や集会所などの屋根雪下ろしを住民まかせにせず、負担を軽減すること。

 (3)民家周囲や生活道路の除排雪を確実に実施し、住民や集落が持つ力を発揮し作業がおこなえるようにすること。そのためには圧倒的に不足しているマンパワーを確保すること。集落などでの対策が困難となった地域をはじめ、市町村での対応が追いつかない地域については、道府県による代行という方法もふくめて一刻も早く実施すること。また、個人や集落が所有する機械も活用できるよう支援すること。

 (4)自衛隊などによる除排雪作業については、作業の手順などについて地元自治体等と事前の打ち合わせを綿密に行ったうえでおこなうように改善すること。

 二、なだれ危険個所の総点検と監視体制を強めるなど、なだれ事故防止と二次災害防止に万全を期すこと。

 三、地方自治体の除排雪経費などの負担急増に対し、特別交付税の増額配分とともに、県道や市町村道除雪費に対する早期補助金交付と実態に即した補助対象の拡大をおこなうこと。


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